スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【第58回】決算手続(14)「売上原価(3) 分記法」

じっくり簿記 3級
【第58回】決算手続(14) 「売上原価(3) 分記法」 




こんにちは。たいちろうです。

前回まで、売上原価の計算方法の「三分法」について解説してきました。
今回からは「分記法」について解説いたします。

分記法は三分法のように、最悪「仕、繰、繰、仕」を暗記さえすればなんとかなるものではなく、きちんと仕訳のしくみを理解していないと正解までたどり着けません。

ただ、簿記3級は三分法の出題が多く、分記法は(三分法に比べると)出題頻度は少ないです。
リスクはありますが、分記法を覚える余裕がなければ分記法の論点は捨ててしまうのも一つの手です。

分記法とは

今まで「売上」や「仕入」という科目を使用して取引を解説してきました。
特に明示してきませんでしたが、実はこの「売上」や「仕入」という科目を使うのは三分法の処理を前提としています

分記法では「商品」と「商品売買益」という科目を使って取引を表します。

簿記3級の取引の仕訳は三分法が基本であり、分記法の場合は問題文に分記法である旨の指示があります。
もしくは、指示されていない場合でも科目名が「売上」や「仕入」ではないのですぐに分記法だとわかります。

例題で分記法による売買取引を説明していきます。


例題58-1 商品を10,000円で仕入れ、代金は掛けとした。(分記法)


例題58-1 解答
商品 10,000 / 買掛金 10,000

仕入の仕訳は非常にシンプルです。
10,000円分の商品を仕入れたので、「商品」というBS(資産)の科目が増加しました。

BS
第58回1



例題58-2 10,000円で仕入れた商品を、15,000円で売り上げ、代金は掛けとした。(分記法)


例題58-2 解答
売掛金 15,000 / 商品 10,000
     /商品売買益 5,000




10,000円で仕入れた商品を売って、商品が手元からなくなったので商品10,000円を貸方に計上します。
また、10,000円で仕入れた商品を15,000円で売り上げたので、差額の5,000円を「商品売買益」というPLの収益の科目として計上します。

BS
第58回2

商品10,000円がマイナスされます。

PL
第58回3

商品売買益5,000円が収益に計上されます。


三分法では、仕入れの際は「仕入」という費用の科目、売上の際は「売上」という収益の科目を使っていたと思いますが、分記法ではこれらの科目は使いません。
商品」と「商品売買益」という科目を使います。

実はこの分記法という方法は、売買目的有価証券の売却の仕訳と仕組みが同じなのです。
(3級 第15回 有価証券①「株式」 参照)

例:売買目的有価証券の購入、売却
(購入時)
売買目的で、A社の株式を10万円で購入した(普通預金から支払い)
売買目的有価証券 100,000 / 普通預金 100,000

(売却時)
10万円で購入したA社株式について15万円で売却した。代金は普通預金に振り込まれた。

 普通預金 150,000  /  売買目的有価証券  100,000
         / 有価証券売却益   50,000


この「売買目的有価証券」という科目を分記法の「商品」、「有価証券売却益」を「商品売買益」と読み替えると、まさに分記法の仕訳になります。

もし、分記法の仕訳を忘れてしまったら「売買目的有価証券の売却の仕訳と同じ」ということを思い出し、その仕訳を「商品」「商品売買益」という科目に置き換えれば解答できます。


ちなみに、分記法には三分法のような決算整理仕訳は必要ありません。
期中の取引の仕訳だけで完結します。

以下、三分法と分記法による違いを説明します。
(余裕があれば呼んで理解してください)

まず三分法について、

・三分法は、期中の取引は「売上」「仕入」で計上する。
・期末の決算整理仕訳で「繰越商品」という科目を使って、「仕入/繰越商品」「繰越商品/仕入」という仕訳を行い、「仕入」を修正して売上原価を計算する。

という処理でした。

例題58-2のように、10,000円で仕入れた商品を、15,000円で売り上げたという場合のPL(決算整理後)は以下のようになります。
第58回4


一方、これを分記法で仕訳を切った場合のPLは以下のようになります。(例題58-1のPLを再掲)
第58回5


どちらも利益が5,000円という結果は変わりません。

三分法は決算整理仕訳で売上原価を算出し、売上と売上原価(仕入)の差額で利益を計上しています。

しかし、分記法では期中の仕訳の段階でその商品売上にかかる利益(商品売買益)を計算してます。(これが分記法には決算整理仕訳がいらない理由です)

以下、分記法の仕訳を再掲します。

売掛金 15,000 / 商品 10,000
     /商品売買益 5,000


15,000円の売掛金(後の現金預金)が入ってくるのに対して、10,000円で仕入れた商品を引き渡しているので、利益は5,000円ということを、期中の仕訳で行っていることがわかります。
なので、分記法においてPLの収益に計上されている「商品売買益」は、三分法で言うところの利益の金額なのです。

このようなことから、三分法は「売上」と「費用」の総額を計上して利益を算定する方法であり、分記法は利益だけを(売上から費用を差し引いた後の)純額で計上する方法であるということがわかります。

商品売買を行うビジネスをしている会社や事業主のほとんどが三分法を採用していると言われています。
なぜなら、分記法は売り上げた商品ごとの仕入れの価格を常に把握しておく必要があり、管理が煩雑もしくは困難だからです。

同じ商品でも、仕入れた時期や仕入れた相手先で仕入単価が違うこともあり得るので、売上のつど、その売上に対応する仕入(分記法なので仕訳上は「商品」)の金額を把握しなければならないのは煩雑です。
スーパーやコンビニなど大量の売り買いの取引が発生するような業態では三分法でないと対応できません。

一方で、分記法は取り扱う商品の数が少なく、1つ1つの商品の仕入原価を把握するのが簡単な業態に向いています。
例えば中古車の販売や、骨董商など少数の商品を高額で販売している場合は、一つの商品ごとに利益を計算できたほうが経営管理に役立ちます。

また、三分法は期末になって決算整理仕訳をしないと商品売買の利益がわからないというデメリットもあります。分記法であれば取引のつど、商品の売上の利益が判明するという点でメリットがあります。


以上、分記法の仕訳および、三分法との違いでした。
後半の三分法と分記法の違いのくだりは完全に豆知識なので、覚える必要はありません。
分記法の仕訳について要約すると以下の通りです。

・仕入ではなく「商品」を使う
・売上の際は、売上に対応する商品を減少させ、受け取った対価(現預金や売掛金)との差額を「商品売買益」として計上する。
売掛金 ××  / 商品    ××
     /商品売買益 ××

・分記法の仕訳は売買目的有価証券の売買とほぼ同じ。

次回は、収益や費用を繰り越すための科目、「前払費用」「未払費用」「前受収益」「未収収益」を解説します。


↓読み終わりましたら、クリックをお願いいたします(ブログランキング)

経理・会計・税金 ブログランキングへ

「じっくり簿記」はメルマガとしても配信しております。
以下のページにてメルマガ読者登録して頂ければ幸いです(無料)。
http://www.mag2.com/m/0001618938.html

theme : 資格取得
genre : 学問・文化・芸術

【第57回】決算手続(13)「売上原価(2) 三分法」

じっくり簿記 3級
【第57回】決算手続(13) 「売上原価(2) 三分法」 




こんにちは。たいちろうです。

前回、売上原価の計算方法について「三分法」と「分記法」があること、そして三分法において、売上に対応しない仕入は「仕入」(PL)からマイナスして「繰越商品」(BS)に振り替える必要があるということをお伝えしました。

前回の例を再掲します。

(1)仕入
1個1万円の商品を100個、すなわち100万円分の商品を掛けで仕入れた。

(仕訳)  仕入 1,000,000 / 買掛金 1,000,000
PL
第57回1


(2)売上
期中に、仕入れた商品のうち1個が1万5千円で売れた。(掛けで売上)

(仕訳) 売掛金 15,000 / 売上 15,000
PL
第57回2


(3)期末 決算仕訳にて、売れ残った在庫99個について、繰越商品に振り替える。
(仕訳) 繰越商品 990,000 / 仕入 990,000
PL
第57回3


BS
第57回4


ここまでが前回の説明でした。

今回は、この例の翌期の仕訳を説明いたします。
(今回は少し長めです)

期首と期末に在庫がある場合の売上原価の算定

上記の例の場合、期末に990,000円の繰越商品(翌期に繰り越す商品、在庫)があるということになります。
これは翌期から見れば、期首に990,000円の繰越商品(前期から繰り越された商品、在庫)があるという認識になります。

このように前期からの繰越商品があり、かつ、前述のように当期期末にも繰越商品がある場合はどのように売上原価の計算をすればよいでしょうか。

この場合は

(期首の繰越商品) 仕入  ××× / 繰越商品 ×××
(期末の繰越商品) 繰越商品 ××× / 仕入  ××× 

という仕訳を切ることになります。

これは非常に重要な仕訳なので、売上原価の計算の理屈が理解できなくてもこの仕訳だけは覚えてください。

左上から「仕入」「繰越商品」「繰越商品」「仕入」という順番になっているので、略して、
「仕」「繰」「繰」「仕」(し、くり、くり、し)という言葉で覚えると楽です。

以下、この仕訳の理屈を例題を使って解説いたします。


例題57-1 下記の場合について、
①決算整理仕訳を示しなさい。
②売上原価の金額を示しなさい。

期首において、前期からの繰越商品が990,000円(1個10,000円×99個)ある。
期中に商品を1個10,000円で100個(1,000,000円)仕入れた。(掛けで仕入)
また、商品は期中に1個15,000円で120個(1,800,000円)売れた。(掛けで売上)
期末時点で、 790,000円分の商品が残っている。(10,000円×79個)


例題57-1 解答
①仕入  990,000 / 繰越商品 990,000
繰越商品 790,000/ 仕入  790,000

②1,200,000円


まず①について、期首に存在する繰越商品と、期末に存在する繰越商品の仕訳(三分法)は以下のようになります。

(期首の繰越商品) 仕入  ××× / 繰越商品 ×××
(期末の繰越商品) 繰越商品 ××× / 仕入  ××× 


なので、期首の繰越商品が990,000円あるので
仕入  990,000 / 繰越商品 990,000

期末の繰越商品が790,000円あるので
繰越商品 790,000/ 仕入  790,000

という決算整理仕訳が必要になります。

なお、決算整理仕訳というのは、期末になり決算をする段階になって計上される仕訳のことです。
期中の売上や仕入等の取引のつど計上される仕訳とは異なり、決算の時だけ計上されます。

期末を迎えて、今年度1年間の売上と売れ残った在庫が確定しているから売上原価の計算ができるので、仕/繰/繰/仕の仕訳は決算整理仕訳です。

ちなみに問題文では
「期中に商品を1個10,000円で100個(1,000,000円)仕入れた。(掛けで仕入)」
「また、商品は期中に1個15,000円で120個(1,800,000円)売れた。(掛けで売上)」
という文言がありますが、これは期中の取引のつど切られる仕訳であり、決算整理仕訳ではありません。

仕入 1,000,000 / 買掛金 1,000,000
売掛金 1,800,000/ 売上 1,800,000

という仕訳が期中に計上されているはずですが、この問題の①は決算整理仕訳を問われているので、答えとしては仕/繰/繰/仕の仕訳のみとなります。

以下、参考にBS,PLで解説します。
(なお前回(第56回)の例題からの続きの問題であるため、期首のBSに売掛金と買掛金が存在します)

期首のBS
第57回5

(期首のPLはすべての科目が残高ゼロのため省略します。
BSは前期末の科目の残高が当期首に繰り越されますが、PLは毎期リセットされます)

期中の仕訳
仕入 1,000,000 / 買掛金 1,000,000
売掛金 1,800,000/ 売上 1,800,000

期中の仕訳を反映させたBS
第57回6


期中の仕訳で、BSに影響するのは売掛金と買掛金だけです。
売掛金が1,800,000円、買掛金が1,000,000円増加しました。

期中の仕訳を反映させたPL
第57回7


PLとしては、売上が1,800,000円、仕入が1,000,000円発生しています。

決算整理仕訳
仕入  990,000 / 繰越商品 990,000
繰越商品 790,000/ 仕入  790,000

決算整理仕訳を反映させたBS
第57回8


決算整理仕訳で繰越商品790,000円が計上されているため、その金額がそのまま期末のBSに計上される額となります。
あるいは、

期首 990,000円-決算整理仕訳 990,000円+決算整理仕訳790,000円=790,000円

と考えることもできます。

決算整理仕訳を反映させたBS
第57回9


決算整理前PLの「仕入」 1,000,000円 +決算整理仕訳 990,000 - 決算整理仕訳 790,000円 =1,200,000円

となります。

決算整理仕訳を計上した後の「仕入」勘定 1,200,000円が、売上1,800,000円に対応する売上原価となります。すなわち、②の解答は1,200,000円となります。

さらに言えば、売上1,800,000円-売上原価1,200,000円=利益600,000円となります。

決算整理仕訳(仕、繰、繰、仕)を計上する前のPLに計上されている「仕入」は、単純に期中に仕入れた金額を表しています。

しかし、決算整理仕訳(仕、繰、繰、仕)を計上した後のPLに計上されている「仕入」は売上原価、すなわち売上に対応する部分のみの仕入となるのです。

同じ「仕入」という科目であるのに、決算整理仕訳を切る前と後で、その金額が表す意味が異なることに留意してください。

以下、「仕、繰、繰、仕」の仕訳でどうして売上原価の計算ができるかを説明します。
知らなくても「仕、繰、繰、仕」の仕訳を暗記さえしていれば正解はできますが、理解しておくことをオススメします。

例題57-1の仕入の状況を要約すると、

期首商品棚卸高 990,000円
当期商品仕入  1,000,000円
期末商品棚卸高 790,000円

となります。これを図で示すと以下のようになります。
第57回10


左側は期首商品と期中に仕入れた商品の合計、すなわち当期に会社に入ってきた商品の合計です。これが1,990,000円となります。

一方で、期末に商品が790,000円残っていることも判明しています。
ということは、入ってきた商品1,990,000円から期末に残っている商品790,000円を引けば、売れて出て行った商品の仕入額(売上原価)がわかります。

よって、期首商品990,000円+期中仕入1,000,000円-期末商品790,000円=1,200,000円
が売上原価であることがわかります。
第57回11


期首商品990,000円+期中仕入1,000,000円-期末商品790,000円 という計算のうち、
期中仕入 1,000,000円は、期中の仕訳で既に「仕入」として計上されています。
(仕入 1,000,000 / 買掛金 1,000,000)

よって、期首商品を「仕入」にプラスし、期末商品を「仕入」からマイナスするということが必要になり、それが「仕、繰、繰、仕」の仕訳となります。

仕入  990,000 / 繰越商品 990,000
繰越商品 790,000/ 仕入  790,000

このことを踏まえ、もう一つ例題を解いてみましょう。


練習問題 57-2
以下の場合において、期末の決算整理仕訳を行いなさい。(売上原価は仕入勘定で算定すること)

期首商品棚卸高 200,000円
当期商品仕入  500,000円
期末商品棚卸高 300,000円


練習問題57-2 解答
仕入  200,000 / 繰越商品 200,000
繰越商品 300,000/ 仕入  300,000


期首の商品の金額を 仕入/繰越商品 の仕訳とし、期末の商品の金額を 繰越商品 / 仕入 とするだけです。
ちなみに、売上原価は、200,000円+500,000円-300,000円=400,000円となります。

なお、「売上原価は仕入勘定で算定すること」について、今までこの売上原価の計算の仕訳には「仕入」勘定を使ってきましたが、実は「売上原価」という勘定科目を使用する方法もあります。

その場合は「売上原価は売上原価勘定で算定すること」という設問になります。出題頻度が高くはないので、売上原価勘定を使った場合の仕訳は省略します。


以上、三分法による売上原価の計算を説明いたしました。
長くなりましたが、結論としては「仕、繰、繰、仕」という仕訳さえ覚えておけば簿記検定においては点数をとれるので、理屈はわからなくてもこの仕訳だけは覚えておいてください。

次回は、もう一つの売上原価の計算方法である「分記法」を説明いたします。

↓読み終わりましたら、クリックをお願いいたします(ブログランキング)

経理・会計・税金 ブログランキングへ

「じっくり簿記」はメルマガとしても配信しております。
以下のページにてメルマガ読者登録して頂ければ幸いです(無料)。
http://www.mag2.com/m/0001618938.html

theme : 資格取得
genre : 学問・文化・芸術

【第56回】決算手続(12)「売上原価(1) 三分法」

じっくり簿記 3級
【第56回】決算手続(12) 「売上原価(1) 三分法」 




こんにちは。たいちろうです。
今回からは、売上に対応する費用である「売上原価」の計算について説明していきます。

簿記3級の中ではやや難しい部類の論点となりますが、かなりの頻度で出題される論点なので、是非習得して頂きたいと思います。
また、自営業(商品の仕入れを伴う事業)をやっている方は、実務としても避けては通れない論点なので、理屈から理解することが望ましいです。

売上原価とは
商品を売ったときに、その売り上げた商品の仕入にかかった費用、それが「売上原価」です。
しかし、今まで学習した知識だと商品の仕入にかかった費用は「仕入」ではないのかと思われるかもしれません。

「仕入」と「売上原価」の違いを理解することが、売上原価の算定において重要なポイントとなります。

三分法と分記法
売上原価の算定には「三分法」と「分記法」という二種類の方法があります。

まずは、「仕入」と「売上原価」の違いを理解するために、「三分法」による売上原価の算定を説明します。

三分法による売上原価の算定
期末になり、決算の処理として「仕入」の金額を修正し、売上原価を算出することになります。
まず、期中に計上した「仕入」を修正しなかった場合どうなるか、下記の例で考えてみましょう。

(1)仕入
1個1万円の商品を100個、つまり100万円分の商品を掛けで仕入れたとします。
(仕訳)  仕入 1,000,000 / 買掛金 1,000,000

PL
第56回1


BS
第56回2


(2)売上
この商品を1個1万5千円で売ろうとしたとします。
しかし、この商品は1個しか売れませんでした。(掛けで売上)

(仕訳) 売掛金 15,000 / 売上 15,000

PL
第56回3

BS
第56回4


(3)利益の計算(誤)
では、この商品の売上とその仕入れにかかった費用を差し引いた、利益はいくらになるでしょうか。

15,000円(売上) - 1,000,000円(仕入)= △985,000円  でしょうか?

第56回5


果たして、この考え方は正しいでしょうか。
売上15,000円のためにかかった費用は本当に1,000,000円なのでしょうか?

複式簿記においては、こういった考え方はしません。
この利益△985,000円は誤りとなります。

(4)利益の計算(正)
1個10,000円のものを15,000円で売ったのです。
言い換えると、売上15,000円のためにかかった費用は10,000円なのです。
発生した「売上に対応する部分」の仕入にあたるもの、それが売上原価です。(この例の場合は10,000円部分)

なので、15,000円(売上) - 10,000円(売上原価) =5,000円 が利益となります。
PL
第56回6


では、(2)のPL
第56回7


から、(4)のPL
第56回8


にするためには、期末において下記の決算整理仕訳が必要になります。

(仕訳) 繰越商品 990,000 / 仕入 990,000

1個10,000円の商品を100個、すなわち1,000,000円分を仕入れて、1個だけ売れたという状況であるので、残り99個(990,000円分)は在庫として残っているはずです。

この在庫を「繰越商品」という資産の科目でBSに計上します。

この仕訳を切ることで、PLは(4)のように1個10,000円のものを15,000円で売って、5,000円の利益が出たことなります。

第56回9

また、BSは在庫99個(990,000円分)があることを反映するようになります。
第56回10



今回は以上となります。
三分法による売上原価の算定について解説しました。

・「売上に対応する費用の部分」だけが売上原価となる。
・期中に「仕入」として費用に計上したが、期末に在庫に残っているものは期末の決算仕訳で「繰越商品」というBSの科目に振り替える。(繰越商品 ×× / 仕入 ××)


在庫として残っている(売上に対応していない)仕入を、仕入からマイナスしてBSの繰越商品に振り替えることで、売上と、売上に部分に対応する仕入がPLに計上されるようになります。

ちなみに、「三分法」という名称は、「売上」と「仕入」と「繰越商品」の3つの科目を使うことに起因しているそうです。
三分法の解説はもう少しだけ続きます。

↓読み終わりましたら、クリックをお願いいたします(ブログランキング)

経理・会計・税金 ブログランキングへ

「じっくり簿記」はメルマガとしても配信しております。
以下のページにてメルマガ読者登録して頂ければ幸いです(無料)。
http://www.mag2.com/m/0001618938.html

theme : 資格取得
genre : 学問・文化・芸術

【第55回】決算手続(11)「消耗品(2)」

じっくり簿記 3級
【第55回】決算手続(11) 「消耗品(2)」 




こんにちは。たいちろうです。

前回、「消耗品」について

(1)購入時に「消耗品費」という費用で計上する方法
(2)購入時に 「消耗品」という資産で計上する方法

という2通りの計上方法があり、そのうち、(1)購入時に「消耗品費」という費用で計上する方法 について解説いたしました。

今回は(2)購入時に 「消耗品」という資産で計上する方法 について解説いたします。

「消耗品」という資産科目で計上する方法
消耗品を購入した際に、全額を「消耗品」という科目で計上します。
消耗品はBSの資産の科目なので仕訳の借方に計上されます。


例題55-1
以下の仕訳を行いなさい。
1万円分のコピー用紙を現金で購入した。(消耗品として計上する)


例題55-1 解答
消耗品 10,000 / 現金 10,000

消耗品は資産の科目であり、BSの借方に計上します。
BSは以下のようになります。
第54回1


(現金については省略しています)
なお、PLの科目には影響はありません。

この購入時に「消耗品」という資産で計上する方法の場合、購入したものはすべて資産として計上されています。

もし「消耗品」という資産のまま、全額が期末に計上されていたら、このコピー用紙は購入してから期末までに一切使用されなかったということになってしまいます。(消耗品は使用した部分について費用として計上するため)

10,000円分のコピー用紙を購入時に一括で資産(消耗品)として計上した場合、期末までに消費した部分を期末で費用に振り替え残った部分のみが資産(消耗品)として計上されるようにします。


例題55-2
以下の決算仕訳を行いなさい。
期中に1万円分のコピー用紙を現金で購入した。(消耗品として計上する)
期末時点でコピー用紙のうち40%が使用されずに残っていたため、消費した60%部分を費用(消耗品費)に振り替える。


例題55-2 解答
消耗品費 6,000 / 消耗品 6,000

当初は消耗品として10,000円計上したが、期末までに60%を消費したので費用(消耗品費)としてPLに計上するということです。

よって、消耗品という資産をマイナスし(資産は借方の項目なのでマイナス計上するには仕訳の貸方に計上する)、その代わり費用である消耗品費を計上するということになります。


例題55-2の仕訳を切る前のBS
第54回2


期中に10,000円分の消耗品を購入し、資産(消耗品)として計上しているので上記のBSとなっています。

55-2の仕訳を切った後のBS
第54回3


期末までに消費した(=費用化した)分が6,000円マイナスされて、期末の資産計上額は4,000円だけになります。

例題55-2の仕訳を切った後のPL
第54回4


消費した60%分(6,000円)はPLに費用として計上されます。


今回は以上となります。

消耗品の処理について、(2)購入時に 「消耗品」という資産で計上する方法 を解説しました。

要点は以下の通りです。

・購入時は支払った全額を「消耗品」(資産)として計上する。
・期末を迎えたら、使用した部分の金額を「消耗品費」(費用)に振り替える。
・振り替えの仕訳は    消耗品費 ×× / 消耗品 ×× となる。

前回解説した(1)の方法は、最初に全額費用として計上し、期末に使用しなかった部分だけ資産計上するというものであり、今回の(2)は逆に、最初に全額資産として計上し、期末までに使用した部分を費用計上するというものです。

どちらの方法で仕訳を切っても、最終的な結果(期末のBS,PL)は同じになります。

次回以降より、簿記3級の中でやや難しい、「売上原価の計算」を解説していきます。

↓読み終わりましたら、クリックをお願いいたします(ブログランキング)

経理・会計・税金 ブログランキングへ

「じっくり簿記」はメルマガとしても配信しております。
以下のページにてメルマガ読者登録して頂ければ幸いです(無料)。
http://www.mag2.com/m/0001618938.html

theme : 資格取得
genre : 学問・文化・芸術

【第54回】決算手続(10)「消耗品(1)」

じっくり簿記 3級
【第54回】決算手続(10) 「消耗品(1)」 





あけましておめでとうございます。たいちろうです。
長い間、更新を止めていて申し訳ございません。
いつの間にかメルマガ読者が100人を超えていて嬉しい限りです。
今週から、従来通り毎週更新をしていきたいと思います。

今回は金額が小さく、すぐに消費してしまうようなもの(文房具など)を買った場合の科目である「消耗品」の処理について解説します。

消耗品とは
少額な事務用品や工具器具、備品などを購入した際は「消耗品」として扱います。

この消耗品という科目は

(1)購入時に「消耗品費」という費用で計上する方法
(2)購入時に 「消耗品」という資産で計上する方法

という2通りの計上方法があります。

「消耗品」という費用で計上する方法
消耗品を購入した際に、全額を「消耗品費」という科目で計上します。

消耗品費はPLの費用の科目なので仕訳の借方に計上されます。


例題54-1
以下の仕訳を行いなさい。
1万円分のコピー用紙を現金で購入した。(消耗品費として計上する)


例題54-1 解答
消耗品費 10,000 / 現金 10,000


消耗品費は費用の科目なので、仕入と同じように単純に借方に計上すればよいだけです。
PLは以下のようになります。
第53回1




この購入時に「消耗品費」という費用で計上する方法の場合、購入したものはすべて費用として計上されてしまいます。
費用として計上するということは、買ったものをすべて消費したと考えることになります。

しかし厳密に考えると、買った瞬間にすべて消費してしまうものということでもありません。

例題54-1のコピー用紙の場合、コピー用紙10,000円分というのはかなりの枚数(数百枚~数千枚?)であり、すべて使いきらずに期末まで残っていることもあり得ます。

購入時に一括で費用(消耗品費)として計上したが、実際には一部しか消費せず期末時点で残っている場合、残った部分は資産(消耗品)として計上します。

消耗品費」と「消耗品」は名前が似ているので間違えるかもしれませんが、
「消耗品費」はPL(費用)「消耗品」はBS(資産)です。

もし忘れてしまっても、「消耗品費」は「費」が付いてるから、費用すなわちPL項目だという連想ができれば、どっちがPLでどっちがBSなのかわかります。


例題54-2
以下の決算仕訳を行いなさい。
期中に1万円分のコピー用紙を現金で購入した。(消耗品費として計上する)
期末時点でコピー用紙のうち半分が使用されずに残っていたため、半額を資産(消耗品)に振り替える。


例題54-2 解答
消耗品 5,000 / 消耗品費 5,000


当初は消耗品費として10,000円計上したが、半額の5,000円分は未使用なので資産(消耗品)としてBSに計上するということです。
よって、消耗品費という費用をマイナスし(費用は借方の項目なのでマイナス計上するには仕訳の貸方に計上する)、その代わり資産である消耗品を計上するということになります。


例題54-2の仕訳を切る前のPL
第53回2


期中に10,000円分の消耗品を購入し消耗品費として計上しているので、上記のPLとなっています。

例題54-2の仕訳を切った後のPL
第53回3


期末に残っていた(=消費されなかった)分が5,000円マイナスされて、費用計上される(当期実際に消費した)のは5,000円だけになります。

例題54-2の仕訳を切った後のBS
第53回4


BSには消費されなかった部分が、消耗品(資産)として5,000円が計上されます。


今回は以上となります。

消耗品の処理について、

(1)購入時に「消耗品費」という費用で計上する方法
(2)購入時に 「消耗品」という資産で計上する方法

があり、(1)購入時に「消耗品費」という費用で計上する方法  について解説しました。

要点は以下の通りです。

・購入時は支払った全額を「消耗品費」(費用)として計上する。
・期末を迎えたら、使用されなかった部分の金額を「消耗品」(資産)に振り替える。
・振り替えの仕訳は    消耗品 ×× / 消耗品費 ×× となる。


次回は購入時に 資産(「消耗品」)で計上する方法 について解説いたします。


↓読み終わりましたら、クリックをお願いいたします(ブログランキング)

経理・会計・税金 ブログランキングへ

「じっくり簿記」はメルマガとしても配信しております。
以下のページにてメルマガ読者登録して頂ければ幸いです(無料)。
http://www.mag2.com/m/0001618938.html

theme : 資格取得
genre : 学問・文化・芸術

07 | 2017/08 | 09
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

たいちろう

Author:たいちろう
簿記検定に合格するための講座です。
簿記の仕組みを理解して覚えられるように、じっくりと説明していきます。

相互リンク募集中!お気軽にご連絡下さい!


ご質問は以下のアドレスにお願いします。
jikkuri_boki@yahoo.co.jp

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。