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【第6回】 現金関連② ~現金過不足(後)、「当座預金」~

じっくり簿記 3級


【第6回】 現金関連② 「現金過不足(後)」「当座預金」



 
こんにちは。たいちろうです。

前回学習した、現金過不足の続きを説明していこうと思います。
前回の内容をまとめると、以下のようになります。

・現金はBSの資産に属する科目。増えたら仕訳の借方に、減ったら仕訳の貸方に記入する。
・現金過不足はPLの収益・費用どちらにもなる科目。帳簿より実際の残高が少なかったら仕訳の借方(費用)、帳簿より実際の残高が多かったら仕訳の貸方(収益)に記入する。



原因不明の理由により、帳簿より実際の現金残高の方が少ない→損した=費用(借方)
原因不明の理由により、帳簿より実際の現金残高の方が多い →得した=収益(貸方)


という連想ができれば、現金過不足が費用なのか、収益なのかを判断できると思います。

現金過不足の原因がわかったとき
さて、前回は原因不明の理由で、帳簿上の現金残高と実際の残高が違うとき、現金過不足というPLの科目で帳簿の現金の残高を調整するということを説明しました。

今回は、この差額の原因が判明したらどう処理すればいいかを説明します。


例題6-1 帳簿の現金残高は200万円であったが、実際に現金を数えたところ195万円であったため、以下の仕訳を切り、現金残高を実際と一致させた。

  (借方) 現金過不足 5 / (貸方) 現金 5 (単位:万円)

しかし、上記の差異のうち2万円は会社のオフィスの電話代(科目:通信費)として支払ったものを記帳し忘れていたことが原因であったことがわかった。修正の仕訳を行いなさい。



解答 (借方)通信費 2 / (貸方) 現金過不足 2 (単位:万円)

まず、最初の5万円の現金過不足の仕訳を切った時点で、PLは以下のようになっています。

第六回①


現金過不足が費用(借方)として計上されています。(仕訳を切り、記帳することを「計上」と言います)
しかし、この現金過不足5万円の内、2万円は通信費として計上するのが正しいということが判明しました。
そこで、解答の仕訳

(借方)通信費 2 / (貸方) 現金過不足 2 (単位:万円)

を切ることで、借方に5万円計上されていた現金過不足が、2万円貸方に計上(=借方からマイナス)され、現金過不足の金額は3万円になります。また、新たに通信費を借方に計上します。この仕訳を反映させたPLは以下のようになります。

第六回②




これで、当初5万円あった原因不明の現金差異のうち、2万円が通信費で、3万円が不明なものであるという状況がPLに反映されるようになりました。



練習問題6-1 帳簿の現金残高は200万円であったが、実際に現金を数えたところ205万円であったため、以下の仕訳を切り、現金残高を実際と一致させた。

  (借方) 現金 5 / (貸方)現金過不足 5 (単位:万円)

しかし、上記の差異のうち3万円は保有している株式の配当金 (科目:受取配当金)として受け取っていたのを記帳し忘れていたことが原因であったことがわかった。修正の仕訳を行いなさい。



解答 (借方) 現金過不足 3 / (貸方) 受取配当金 3 (単位:万円)


最初の5万円の現金過不足を反映させたPLは以下のようになります。

第六回③


現金過不足が収益(貸方)として計上されています。
しかし、この現金過不足5万円の内、3万円は受取配当金として計上するのが正しいということが判明しました。
そこで、解答の仕訳

(借方) 現金過不足 3 / (貸方) 受取配当金 3 (単位:万円)

を切ることで、貸方に5万円計上されていた現金過不足が、3万円借方に計上(=貸方からマイナス)され、現金過不足の金額は2万円(貸方)になりました。また、新たに受取配当金(収益)を貸方に計上します。この仕訳を反映させたPLは以下のようになります。

第六回④



これで、当初5万円あった原因不明の現金差異のうち、3万円が配当金で、2万円が不明なままであるという状況がPLに反映されるようになりました。

現金過不足の決算時の処理
現金過不足は、帳簿と実際の残高の差異の原因がわかったら、正しい仕訳を切って修正します。

しかし、もし現金過不足の原因が年度の最後、つまり決算までに判明しなかったら
現金過不足が費用にあるときは「雑損失」現金過不足が収益にあるときは「雑収入」という科目に振り替えなければなりません。

現金過不足は原因が判明するまでに使用する仮の科目なのです。
現金過不足の原因は期末までにすべて突き止めて、あるべき正しい科目に修正しなければなりません。
調査した結果、どうしても原因がわからない場合に雑損失・雑収入という科目に振り替えることになります。

練習問題6-1において、現金過不足5万円の内、3万円については原因がわかったため、修正の仕訳を切りました。
残り2万円について、もし期末までに判明しなかった場合、決算時において、

(借方) 現金過不足 2 / 雑収入 2 (単位:万円)

という仕訳を切る必要があります。
決算の仕訳を反映させたPLは以下の通りです。

第六回⑤



現金過不足という科目は消え、雑収入として表示されるようになります。
もちろん、例題6-1の現金過不足の残高3万円の場合も、雑損失に振り替えなければなりません。仕訳は以下の通りです(PLは省略します)

(借方) 雑損失3 / 現金過不足 3 (単位:万円)


これにて、現金過不足の解説は終了です。
現金残高が合わないとき、現金の相手科目として使用すること、差異の原因が判明したら正しい科目に振り替えることができるようにしておいて下さい。

当座預金
当座預金とは、小切手による決済のための口座です。
取引の際に現金の代わりとして取引相手に小切手を渡し、相手が小切手を銀行に持っていくと、当座預金の口座から引き出されて相手に支払われます。

第5回の講座において、小切手を受け取ったときは現金として認識するということを述べましたが、今度は自分が小切手を発行して取引の相手に渡す側の処理を説明します。
ちなみに普通預金口座と違い、当座預金にお金を預けていても利息はつきません。


当座預金も現金と同様、資産です。

そのため仕訳においては、当座預金が増加したら借方に、減少したら貸方に記入します。

当座預金増加の仕訳
(借方) 当座預金 ×× / (貸方)・・・・

当座預金減少の仕訳
(借方)・・・・/(貸方)当座預金 ××


小切手を取引相手に渡しても、当座預金に残高がなければ、取引相手が銀行に小切手を持っていってもお金を受け取ることができません。
そのため、支払いの手段として小切手を使うには、まず当座預金にお金を入金することが必要です。


例題6-2 現金50万円を当座預金口座に入金した。


例題6-2 解答 (借方)当座預金 50 / (貸方)現金 50 (単位:万円)


当座預金口座に入金したということは当座預金が増加しているので、仕訳の借方は当座預金です。

一方で、口座に入金したことで現金そのものは手元からなくなっています。
よって現金は減少しているので、貸方に計上されています。

現金が減って、同額の当座預金が増えている、つまり、現金から当座預金に振り変わったということです。
BSで表すために、仮に、当座預金に入金する前には、現金が80万円あったとします。

第六回⑥




これに、解答の仕訳を反映させると以下の様になります。

第六回⑦



現金50万円が減少して、当座預金に置き換わっています。
これで、支払いの手段として小切手を使えるようになりました。
さて、実際に取引をして小切手を取引先に渡した場合、以下のような仕訳になります。


例題6-3 商品20万円の仕入れ(科目:仕入)の代金として、小切手を振り出した。

例題6-3 解答 (借方)仕入 20 / (貸方) 当座預金 20 (単位:万円)


仕入は費用の項目ですので、発生したら借方に記帳します。
小切手を取引相手に渡すということは、当座預金が減少するということなので、仕訳の貸方に当座預金が記帳されます。


仕入れの代金として、小切手を振り出した(小切手を発行することを「振り出す」と言います)ということは、取引先は近い将来、この小切手を銀行に持っていって現金を受け取ることなり、その際に当座預金口座が減少するはずです。
そのため、小切手を渡したら、渡した時点で当座預金を減らす仕訳を切ることとなっています。


注意しなければならない点として、小切手を受け取った時の処理(第五回の講座)と、今回の小切手を先方に渡した時の処理が違うということがあります。


小切手を受け取った時は、現金を増加させると説明しました。
第5回の問題を再掲します。


練習問題5-4 A商店は株式会社Cに対し、1,000円を売り上げ、代金を小切手で受け取った。


解答 (借方)現金 1,000 / (貸方) 売上 1,000


一方で、小切手を相手に渡したら当座預金を減少させることになります。
今回の例題を再掲します。



例題6-3 商品20万円の仕入れ(科目:仕入)の代金として、小切手を振り出した。


例題6-3 解答 (借方)仕入 20 / (貸方) 当座預金 20 (単位:万円)


小切手は受け取ったときは現金、支払ったときは当座預金。間違えないよう注意してください。

練習問題6-2 売上30万円の代金として小切手で受け取った。
練習問題6-3 売上30万円の代金として小切手で受け取ったが、ただちに当座預金口座に預け入れた。


練習問題6-2 解答 (借方)現金 30 / (貸方) 売上 30 (単位:万円)

第5回の問題とほぼ同じ内容であるため解説は省略します。

連取問題6-3 解答 (借方)当座預金 30 / (貸方) 売上 30 (単位:万円)

簿記検定の問題では、受け取った小切手について「ただちに当座預金に預け入れた」という文言が入ることがあります。
いったん、売上代金として小切手を受け取ったことを表す仕訳は

(借方)現金 30 / (貸方) 売上 30

であり、さらにその小切手を銀行に提示して当座預金に入金してもらう際の仕訳は

(借方)当座預金 30 / (貸方) 現金 30

となります。
しかし、解答欄に1行しか仕訳を書くスペースがないことがあります。
こういった場合は、小切手の受け取りとして現金が増加した後、当座預金への入金により同額の現金が減少したということを省略して、いきなり当座預金が増えたという仕訳(解答の仕訳)にできます。


練習問題6-4 会社の文房具やトイレットペーパーなどの消耗品(科目:消耗品費)を10万円分購入し、代金として小切手を振り出して支払った。


練習問題6-4 解答 (借方)消耗品費 10 / (貸方) 当座預金 10 (単位:万円)

小切手を振り出しているので、当座預金の減少となります。消耗品費は費用ですので、借方に計上します。



今回の講座は以上です。要点をまとめると、

・現金過不足の原因が判明したら、正しい科目に振り替える仕訳を切る。
・期末までに現金過不足の原因が判明しなかったら、雑損失または雑収入に振り替える。
・当座預金は現金と同じく資産。仕訳は、増えたら借方に、減ったら貸方に計上する。
・取引の際に小切手を相手に渡したら、当座預金を減らす(仕訳の貸方に当座預金)。小切手を受け取った時の処理(現金を増やす)との違いに注意。

ということになります。

特に、小切手を渡した時は当座預金の減少になるということは重要ですので、必ず覚えるようにしてください。

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