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【第5回】 現金関連①~現金と現金過不足~

じっくり簿記 3級


【第5回】「現金関連①~現金と現金過不足~」






こんにちは。たいちろうです。

前回、「仕訳」とは何か、その概要を説明しました。
今回から、個別の取引について、実際に仕訳を切って覚えていくことになります。


ちなみに、このブログは簿記の学習のテキスト的なものであり、実際の簿記検定に臨むためには、市販の問題集で反復練習する必要があります。

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さて、今回は「現金関連」についての仕訳を解説します。

現金以外のもの(小切手や当座預金)も説明します。
こまごまとした論点が多いため、現金や当座預金などの重要な部分以外は、軽く理解するだけで問題ないでしょう。


簿記上の現金とは
一般的に現金といえば硬貨や紙幣ですが、簿記の勘定科目としての「現金」はそれ以外にも、ほぼ現金とみなせるような価値があるもの(通貨代用証券)も含まれます。

以下に、簿記において現金として扱うものを列挙しますが、全部覚える必要はありません。
(②は理解して正しく仕訳を切れるようにしてください)


①紙幣、硬貨(外貨も含む)
②他人振出小切手
③郵便為替証書、配当金領収書、期限到来後の公社債利札、送金小切手、


①は覚えなくともわかると思います。
外貨も含みますが、簿記3級では外貨は出てくることは無いので気にしないでください。

③は、こんなものも現金として扱うんだな、程度の認識で大丈夫です。
郵便為替、配当金の領収書、公社債の利札、送金小切手など、実際に見たことがないとイメージが沸かないと思いますが、結局のところ、どれも銀行に持っていって現金と引換えてもらうものです。
なので、帳簿上では、これらを受け取った時点で、そこに記載されている金額を現金として認識してよいということです。

②の他人振出小切手(たにんふりだしこぎって)とは、その名の通り他の人が発行した小切手です。
小切手は取引の際に多額の現金を持ち運びするリスクを避けるため、現金の代わりに使用するものです。
受け取った小切手を銀行に持っていくことで現金化できます。
すなわち、小切手を受け取った=現金を受け取ったと認識できるのです。


②の他人振り出し小切手は取引先などが発行する小切手ですが、③の送金小切手は銀行が発行する小切手です。
つまり、②は取引先の口座に現金が無いと現金化できませんし、取引先が倒産したりすると紙キレになってしまいますが(小切手の不渡り)、③は銀行が倒産しない限りそういったリスクはありません。
単に名前が違うだけではなく信用度が違います。



小切手の取引は簿記検定の問題ではよく出てきます。
(まったく簿記検定に関係ない話で恐縮ですが)著者はインターネットバンキングが発達した現代において、小切手による決済のメリットを見出すことができません。
手書きの小切手の場合、数字を改ざんされるリスクもあり、また、形式不備で銀行から拒否されることもあるといいます。

簿記上は小切手を受け取った=現金を認識することになっていますが、実際には小切手を銀行に持って行ってから現金化するまで2日程度を要します。
さらに、わざわざ紙の小切手を先方に手渡しに行く、もしくは郵送しなければならないし、受け取った側も銀行に出向かなければならないという労力もかかります。

○日までに振込をするということを取引先と決めておき、インターネットで先方の口座に振込をすれば、上記のデメリットは全て解消できます。
振込手数料が数百円かかりますが、小切手による決済でも小切手帳の購入や、小切手の郵送代金などもかかるので、小切手がネット決済に勝る部分はないのでは、と思います。
 

さて、実際に現金にかかわる仕訳を説明します。
前回(第4回)の仕訳の概論の例題において、現金の増減を伴う取引を説明しましたので、復習になります。


現金はBSの中の資産の項目になります。


BS
第五回①

(借方)            (貸方)


よって、現金は借方に属する科目です。
そのため仕訳においては、現金は増加したら借方に、減少したら貸方に記入します。



現金の増加の仕訳
(借方) 現金 ×× / (貸方)・・・・

現金の減少の仕訳
(借方)・・・・/(貸方)現金 ××



第4回の例題でも解説しましたが、その科目が属する側(借方or貸方)とは反対側に発生した場合、その科目が減少したことを表します。
すなわち、資産(借方に属する項目)である現金が、貸方に出ている仕訳というのは、現金の減少を表します。

さて、ここで現金の増減にかかわる仕訳を解いてみましょう。

練習問題5-1 現金1,000円を借り入れた。(使用する科目:現金、借入金)
練習問題5-2 借入金1,000円を現金で返済した(使用する科目:現金、借入金)



練習問題5-1 解答 (借方)現金 1,000/(貸方) 借入金 1,000

借り入れにより現金が増加したので、借方に現金を記入します。
借入金は負債に属する科目であり、増加したら貸方、減少したら借方に記入するものです(現金と逆の動きをします)。
詳細は後の講座で解説します。


練習問題5-2 解答 (借方)借入金1,000/(貸方)現金 1,000

借入金を返済したことにより、現金が減少したので、貸方に現金を記入します。
借入金も減少しているので、借入金を借方に記入します。


練習問題5-3 A商店は株式会社Bに対し、1,000円を売り上げ、代金を現金で受け取った。
(使用する科目:現金、売上)
練習問題5-4 A商店は株式会社Cに対し、1,000円を売り上げ、代金を小切手で受け取った。
(使用する科目:現金、売上)



練習問題5-3 解答 (借方)現金 1,000 / (貸方) 売上 1,000


売上により、現金が増加しているので、借方に現金を記入します。
ちなみに、貸方の「売上」はPLの収益の項目、すなわち貸方の項目です。
よって売上が増加しているので、貸方に売上を記入します。


問題5-4 解答 (借方)現金 1,000 / (貸方) 売上 1,000

練習問題5-3の解答とまったく同じ仕訳になります。
受け取った小切手は、他人が発行した小切手、すなわち先述の②他人振出小切手になります。
よって、これは現金として認識することになります。


ちなみに、簿記検定の試験では、仕訳の問題において、本問のように使用できる科目が明示されていることがあります。(「使用できる科目:現金、売上」など)
しかし、その候補の中に紛らわしいフェイクが混じっていることも多いため注意が必要です。

例えば、練習問題5-4に使用できる科目として「現金、売上、小切手」が列挙されていたとします。
解答に必要な科目は「現金」と「売上」だけですが、

(借方)小切手 1,000/ (貸方) 売上 1,000

という風に引っかからぬよう注意してください。
上述のように、小切手を受け取ったら現金で処理すべきですし、そもそも「小切手」という科目は簿記にはありません。


実際の残高が帳簿と合わない「現金過不足」
帳簿を見ると「現金 200万円」と残高が記入されているのに、会社の金庫を実際に確認したら195万円しかなかったという場合のように、現金に関して帳簿の残高と実際の残高に原因不明の不一致があったとします。

どこかで帳簿の記載ミスがあったか、あるいは現金の紛失・盗難があったか、いずれにせよ現実に現金が足りないのですから、実際の残高を正しいものとして、帳簿を修正しなければなりません。

この時、現金残高を修正する仕訳の相手科目として「現金過不足」を使用します。



例題5-1 帳簿の現金残高は200万円であったが、実際に金庫の現金を数えたところ195万円であった。
帳簿上の残高を実際の残高に修正する仕訳を記述しなさい。



例題5-1 解答  (借方) 現金過不足 5 / (貸方) 現金 5 (単位:万円)

現金を減少させて、帳簿上の残高(200万円)を実際の残高(195万円)に合わせる仕訳です。
現金を減少させているので、仕訳の貸方に現金を記入します。
また、現金の相手科目として現金過不足を使用しています。

この状況をBSで解説すると以下のようになります。

解答の仕訳を反映させる前の帳簿(BS)
第五回②



帳簿上の現金残高は200万円です。ここに、解答の仕訳を反映させると、以下のようになります。

第五回③


帳簿上の現金が5万円減少し、実際の残高と一致するようになりました。
一方の現金過不足勘定はPLの科目です。
                 
例題のPL
第五回④
                         (借方)          (貸方)

原因不明の理由で現金が5万円少なくなっているということは、何かしらの支払いをしたが帳簿に記録するのを忘れていたか、紛失・盗難にあったかということが考えられます。
いずれにせよこの場合、現金過不足はPLの借方、すなわち費用として認識します。

PLで見ると、この現金過不足の5万円分、費用が多くなり、そのかわりに利益が5万円少なくなります。(収益-費用=利益)

例えば、収益が100万円で費用が0円の場合、利益は100万円ですが、この現金過不足という5万円の費用が生じることで、収益が100万円で費用が5万円、利益は95万円になってしまいます。



練習問題5-5 帳簿の現金残高は200万円であったが、実際に現金を数えたところ205万円であった。
帳簿上の残高を実際の残高に修正する仕訳を記述しなさい。



練習問題5-5 解答  (借方) 現金 5 / (貸方)現金過不足 5 (単位:万円)


帳簿より実際の残高のほうが多いという、例題5-1とは逆のパターンです。
多いにせよ、少ないにせよ、実際の残高を正しいものとして、帳簿を修正します。

帳簿には200万円と記載されているのに、実際に数えてみたら205万円あったということなので、
帳簿上の現金の残高を正しくするには、帳簿上の現金を5万円増加させる必要があります。

解答の仕訳を反映させる前の帳簿(BS)
第五回②


解答の仕訳を切ることにより、現金5万円が借方にプラスされます。

解答の仕訳を反映させた帳簿(BS)
第五回⑥

             



また、仕訳の貸方の現金過不足はPLの科目ですので、PLの貸方に現金過不足をプラスします。

練習問題5-5 PL
第五回⑤
      

例題5-1では現金過不足は借方、すなわち費用にありました。
しかし、今回は帳簿より、実際の現金残高のほうが多いというケースです。
売上を記帳するのを忘れていた等の原因が考えられるでしょう。

この場合、現金過不足はPLの貸方、つまり収益として認識します。
PLで見ると、この現金過不足分、つまり5万円分について、利益が増加することになります。


第4回の講座において、どういった科目がBS,PLのどの項目(資産、負債、純資産、費用、収益)に属するのか、覚えていく必要があると説明しました。

つまり、科目は原則として必ずBS,PLのどこかに属しているということです。

(ちなみにPLの「利益」に属する科目はありません。利益とは「収益-費用」の差額のことであり、PLの科目は必ず収益か費用のどちらかになります)

例: 現金→資産、借入金→負債、売上→収益

しかし、この現金過不足は例題5-1では費用として認識し、練習問題5-2では収益として認識されています。
このように、PLの両方(費用と収益)になりえる特殊な科目も、まれにあります。

また、BSの両方(資産と負債・純資産)になりえる科目もあります。



以上、今回は現金の増減と、現金過不足の仕訳を解説しました。

科目がどの項目に属しているか、覚えるのが煩雑になってくる頃だと思います。
資産、負債、純資産、収益、費用のどこに属しているか、科目ごとにすべて暗記するのは難しいと思います。

仕訳を切っていく内に自然に身に付くと思いますが、覚えるのであれば、BSの科目なのか、PL科目なのかだけを覚えておけば、その先は感覚でわかったりします。

例えば、現金はBS、ということだけ知っていて、資産か負債か不明であっても、現金はなんとなく資産な気がしますし(現金が負債というのはおかしい気がします)、売上がPLということを知っていれば、なんとなく収益ということがわかります。

あるいは「○○費」のようなものは明らかに費用とわかります。(例外もありますが)

次回は、引き続き現金関連の仕訳を説明いたします。今回覚えて頂いた事項は以下の通りです。

・現金はBSの資産に属する科目。増えたら仕訳の借方に、減ったら仕訳の貸方に記入する。
・現金過不足はPLの収益・費用どちらにもなる科目。帳簿より実際の残高が少なかったら仕訳の借方(費用)、帳簿より実際の残高が多かったら仕訳の貸方(収益)に記入する。


上記のことを理解していないと、次回の論点は理解できないので、今回の講座をしっかり理解して下さい。


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