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【第59回】決算手続(15)「費用、収益の繰り延べ」

じっくり簿記 3級
【第59回】決算手続(15)  「費用、収益の繰り延べ」




こんにちは。たいちろうです。

今回は、費用・収益を翌期以降に繰り延べる仕訳を解説します。

具体的には「前払費用」「前受収益」「未払費用」「前受収益」という科目を使用することになります。

費用、収益の繰り延べとは
費用や収益の中には「期間に応じて発生」するものがあります。
この期間が期末をまたぐ場合、決算手続きで費用や収益の繰り延べが必要になります。
以下、例題を使って解説していきます。

前払費用について

例題59-1
会社のオフィスについて、平成28年1月1日から平成28年12月31日までの1年間を契約期間とする火災保険料12万円を現金で支払った。以下の仕訳を示しなさい。なお、当期の会計期間は平成27年4月1日から平成28年3月31日である。
(1) 保険料を支払った時の仕訳(費用科目:支払保険料)
(2) 保険料に関する決算整理仕訳


例題59-1 解答
(1) 支払保険料 120,000 / 現金 120,000
(2) 前払費用 90,000 / 支払保険料 90,000


(1) については特に解説は必要ないと思います。費用の科目として「支払保険料」という科目が指定されているので、その支払保険料を借方、現金を支払っているので現金を貸方に計上すればいいだけです。

PL
第59回1

(BSは現金しか動いていないので省略)

(2)において、保険料に関する決算整理仕訳を問われています。
期中に1年間分の保険料を支払って、12万円全額を費用計上しています。
これは12万円を払うことで、1年間という「期間」で火災が起こった際に保証を受けられる効果があるものです。

この会社の会計期間は4月1日から翌年の3月31日であるのに対して、保険料の契約期間は1月1日から12月31日となっています。
会計期間と、保険料の期間の関係を図にすると以下の通りです。
第59回2


保険料は平成28年1月1日~12月31日という1年間の契約ではありますが、このうち当期に属しているのは平成28年1月1日~3月31日の3ヶ月間(図の黄色の部分)だけです。

12万円の保険料のうち、当期に保険の効果がある3ヶ月相当分だけを当期の費用としなければ適切な期間の利益(4月1日~3月31日の利益)を計算できません。

よって、12万円×3ヶ月/12ヶ月=3万円が当期の費用(支払保険料)として計上されるべきで、残りの9ヶ月分(12万円×9ヶ月/12ヶ月=9万円)は当期の費用からは除外(=翌期に繰り延べ)する必要があります

期中に支払った際に、支払保険料 120,000 / 現金 120,000 という仕訳を計上しているため、決算整理仕訳で支払保険料が3万円になるように修正しなければなりません

それが、解答の仕訳
前払費用 90,000 / 支払保険料 90,000

です。

(2) の仕訳を反映させたPL
第59回3


(2)の仕訳を反映させたBS(現預金の科目は省略)
第59回4


この「前払費用」という科目が、費用の繰り延べのために使用する勘定科目です。

なお、前払「費用」という名称ですが、これはBS科目(資産)なので注意してください。
基本的に勘定科目は、「○○費用」という名称であればPLの費用科目であると判断できますが、この繰り延べ(見越し)の科目はBS科目なので引っかからないように注意してください。

ちなみに本問は保険料に関するものであるので、問題によっては「前払費用」ではなく「前払保険料」という科目を使用する可能性もあります。
「前払○○料」や「前払○○費用」など、問題文や資料にどの科目を使うべきかヒントがあるので、問題文に従って適切な科目を使用してください。

前受収益について

例題59-2
当社が所有しているビルのうち一部の階を他社に貸している。
賃料は1ヶ月50万円であり、期中に平成27年10月1日から平成28年9月30日までの1年分の賃料(600万円)を受け取った(当座預金に入金)。
なお、当期の会計期間は平成27年4月1日から平成28年3月31日である。
(1) 賃料を受け取った時の仕訳(費用科目:受取賃借料)
(2) 賃料に関する決算整理仕訳

例題59-2 解答
(1) 当座預金 6,000,000 / 受取賃借料 6,000,000
(2) 受取賃借料 3,000,000 / 前受収益 3,000,000


(1)については、現金で賃借料を受け取っているので、単純に現金を600万円増加させ(借方)、収益として受取賃借料を600万円計上(貸方)するだけです。

PL
第59回5


(2)について、会計期間は4月~翌3月であるのに対して、賃料として受け取った600万円は10月~翌年9月までの期間にかかわるものです。
第59回6

つまり当期に発生している賃借料は平成27年10月~平成28年3月の6ヶ月(黄色の部分)だけであり、その部分のみを収益として計上すべきです。

よって、600万円×6ヶ月/12ヶ月=300万円が当期の受取賃借料であるべきです。
受取賃借料は(1)にて期中に600万円計上されているので、これを300万円に修正するため差額の300万円を当期の収益から除外(繰り延べ)します。

受取賃借料 3,000,000 / 前受収益 3,000,000

(2)の仕訳を反映させたPL
第59回7


(2)の仕訳を反映させたBS(現預金は省略)
第59回8


前払費用は「前払『費用』」という名前なのに、BSの資産項目でした。
この前受収益も「前受『収益』」という名前ですが、BSの負債項目となります。


今回は以上となります。

・「期間」に応じて費用や収益が発生するようなものについて、その期間が期末日をまたぐ場合は、当期に属する部分だけを当期の費用、収益として計上する。
・当期に属しない部分は、費用は「前払費用」というBSの資産項目、収益は「前受収益」というBSの負債項目に振り替える。

今回の費用、収益の「繰り延べ」は、当期に現金預金を先に授受しているものです。
次回は、現金預金を後で授受する、費用、収益の「見越し」(「未収収益」、「未払費用」)について解説します。



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