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【第42回】帳簿(12)「伝票(1)」

じっくり簿記 3級
【第42回】 帳簿(12)「伝票(1)」




こんにちは、たいちろうです。

ようやく、帳簿の最終章、「伝票」まで到達しました。

帳簿は、確定申告(青色申告)をする場合に必要になるものです。
簿記の学習においては退屈だと感じるかもしれませんが、実務だと重要だったりします。
しかし、実際に必要な場面になったとしても、書き方の例を見れば簡単にできるので、簿記検定の試験が終わったら忘れられてしまう論点でもあります。

さて、今回は「伝票」について解説します。

伝票とは
第31回帳簿(1)「仕訳帳」にて、仕訳を記入する帳簿である「仕訳帳」について解説しました。

売上、仕入、その他様々な取引が起こった際に、この仕訳帳にすべての仕訳を記帳していくことになります。
すなわち、すべての仕訳が1冊の仕訳帳に記入されていきます。

第42回1


取引が少ない内はそれでも問題ないでしょう。

しかし、だんだん取引が多くなって、記帳する担当者が2人以上になっていくと、一つの帳簿(仕訳帳)を複数人でシェアするのは難しくなっていきます。
さらに、複数の店舗を持つようになると、物理的に仕訳帳を使うことは不可能になります。

第42回2


かといって、取引は日々発生していくわけで、仕訳を記録するものは絶対に必要です。
仕訳を記帳しなければBSもPLも作れません。

そこで、仕訳帳ではなく、1枚の紙(「伝票」)に取引を記帳する、という方法をとることになります。

1冊の仕訳帳を複数人で記帳していくのは(1人が書き込んでる間は他の人が書き込めないため)効率が悪いですが、1枚1枚が切り離されている伝票であれば、複数の担当者は同時に取引を記帳することができます。

第42回3


そして、月次の締めの際にすべての伝票を集めれば、それが仕訳帳の代わりになるということです。

余談ですが、IT技術の発達した現代では、PCとネットワーク環境が整っていれば前述の問題はすべて解決されます。
すなわち、この「伝票」は現代において無用と言っていいものであり、正直、簿記検定の出題範囲から削除すべきではないかと思います。が、なかなか削除されない上、結構な頻度で出題されるので、ちゃんと学習しておいたほうがよいと思います。



伝票を使用する方法として、「3伝票制」「5伝票制」があります。

今回は「3伝票制」を解説していきます。

3伝票制
3伝票制とは、その名の通り、3種類の伝票を使って取引を記録していく方法です。


3種類の伝票とは

・入金伝票
・出金伝票
・振替伝票


の3種類を指します。


なお、帳簿に記入することや仕訳を切ることを「記帳」と言っていましたが、伝票に記入することを「起票」といいます。


入金伝票
入金伝票は、お金が入ってくる取引を記録する伝票です。

以下、入金伝票のフォーマットです。
第42回4


お金が入ってくる取引とは、すなわち、仕訳で「借方が現金」となる取引となります。

入金伝票には、貸方の科目と金額を記入します。

ちなみに、なぜ貸方だけを記入するのか(なぜ借方を記入しないのか)というと、入金伝票を使用する、という時点で、仕訳の借方は「現金」とわかっているためです。


例題42-1
以下の取引について、入金伝票を起票しなさい
平成26年4月10日に売掛金 1,000円を現金で回収した。



例題42-1 解答

第42回5


まず、問題の取引を仕訳にしてみます。
売掛金を回収する取引、すなわち、売掛金が減少して現金が増加する取引なので、

現金 1,000 / 売掛金 1,000

となります。

この仕訳の貸方の科目(売掛金)と金額(1,000)を、入金伝票に記入すれば解答になります。


練習問題42-1
以下の取引について、入金伝票を起票しなさい
平成26年5月1日に商品を3,000円で売り上げ、対価は現金で受け取った。


練習問題42-1 解答

第42回6


問題の取引を仕訳にすると

現金 3,000 / 売上 3,000

となり、この仕訳の貸方の科目(売上)と金額(3,000)を、入金伝票に記入すれば解答になります。

出金伝票
入金伝票は、お金が出ていく取引を記録する伝票です。

以下、出金伝票のフォーマットです。
第42回7


お金が出ていく取引とは、すなわち、仕訳で「貸方が現金」となる取引となります。

出金伝票には、借方の科目と金額を記入します。(入金伝票と逆です)

なぜ借方だけを記入するのか(なぜ貸方を記入しないのか)の理由は、入金伝票と逆の理由になります。すなわち出金伝票を使用するという時点で、仕訳の貸方は「現金」とわかっているためです。



例題42-2
以下の取引について、出金伝票を起票しなさい
平成26年4月10日に買掛金 1,000円を現金で支払った。


例題42-2 解答

第42回8


問題の仕訳は、買掛金を現金で支払ったということなので、買掛金が減少し、同時に現金も減少する仕訳となります。

買掛金 1,000 / 現金 1,000

そして、仕訳の借方の科目(買掛金)と金額(1,000)を記帳すれば完了です。



練習問題42-2
以下の取引について、入金伝票を起票しなさい
平成26年5月1日に商品5,000円の仕入を行い、対価は現金で受け取った。


練習問題42-2 解答

第42回9




今回は以上となります。
3伝票制は、今回説明した「入金伝票」と「出金伝票」の他に「振替伝票」がありますが、それは次回に解説いたします。

理解のため、伝票の目的や使い方を説明しましたが、簿記検定で知っておくべきことは、

・入金伝票は、現金が入ってくる仕訳の貸方(の科目と金額)を記入する。
・出金伝票は、現金が出ていく仕訳の借方(の科目と金額)を記入する。

のみです。仕訳で、現金の反対側の科目を記入すればよいということだけ押さえておけば問題ありません。

次回は、3伝票制の残りの伝票である「振替伝票」と、「5伝票制」について解説いたします。



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