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【第27回】その他仕訳(7)「仮払金」「仮受金」

じっくり簿記 3級
【第27回】 その他仕訳(7)「仮払金」「仮受金」




こんにちは、たいちろうです。
今回は、使途が明確にわからない場合に仮に仕訳を切るときに使用する、「仮払金」と「仮受金」を説明いたします。

未払金/未収金、
前払金/前受金、
仮払金/仮受金 など

「~払金」 「~受金」

という科目が多くて混同するかもしれません。
これは仕訳を暗記するのではなく(「未」や「前」や「仮」などの)文字からその科目の使い方を覚えて、仕訳を連想できるようにしていただきたいと思います。

例えば
・ 未払金→「未払い」だから後で払わなければいけない義務→負債
・前払金→「前払い」だからお金はもう支払済みで、後で商品を受け取る権利がある→資産

これが連想できれば、

・未収金→未払金の逆→資産
・前受金→前払金の逆→負債

という風にすべての科目が資産なのか負債なのか連想できます。
そして、資産なのか負債なのかがわかれば、とりあえず仕訳を書いてみれば正解にたどり着けます。


仮払金
仮払金とは、その名の通り、仮に支払うお金です。

例えば、社員が出張に出るため、その社員に旅費交通費などを先に渡す場合などに仮払金で計上することになります。
出張の間に様々な交通機関を利用することが予想され、具体的に交通費が何円かかるかは確定していないためです。

仮払金は資産の科目であるため、増加したら借方減少したら貸方に計上します。

仮払金の増加
(借方)仮払金 ×××/(貸方)・・・

仮払金の減少
(借方)・・・/(貸方)仮払金 ×××



例題27-1 社員が遠方に出張するため、旅費交通費やその他必要な諸費用含めて5万円を現金で社員に渡した。
例題27-2 出張した社員に5万円を仮払していたが、当該社員が出張から戻ったため、経費を精算した。その結果、実際にかかった費用は4万円であった。(すべて交通費。科目は「旅費交通費」)
残額は現金で返還を受けた。


例題27-1 (借方)仮払金 5 / (貸方)現金  5 (単位:万円)
例題27-2 (借方)旅費交通費    4/ (貸方)仮払金 5 (単位:万円)
現金     1/



社員に5万円を渡した時点では実際に何円かかるか不明であり、全額を費用として計上することはできません
(実際、この例題では精算した結果、5万円全額ではなく、4万円が旅費交通費となっています)

よって、 このように使途や金額が定まっていないことに支払ったお金は「仮払金」として計上することになります。

例題27-1の仕訳を切る前のBS (単位:万円)
第27回1

現金が15万円あると仮定しています。

例題27-1の仕訳を切った後のBS
第27回2


現金5万円を社員に渡したことで減少し、代わりに仮払金が5万円増加しています。
現金も仮払金もBSの科目であるため、PLへの影響はありません。


例題27-2にて、社員が出張から戻り、経費の精算を受けた結果、先に渡した5万円の内、4万円が交通費として使用されたことがわかりました。

この時点で初めて、交通費として費用を計上することができます。
また、使途と金額が確定していなかったため仮払金として(資産に)計上された5万円は、精算され、その使途と金額が確定したため、取り消す仕訳が切られます。

仮払金5万円の内訳は、旅費交通費4万円と返還された現金1万円であるので、仮払金5万円を取り消し(貸方に計上)、旅費交通費4万円を計上し、現金1万円を増加させます。

例題27-2の仕訳を切った後のBS
第27回3


仮払金5万円は精算され、0円となっています。
そして、社員から1万円が返還されているため、現金が1万円増加しています。

例題27-2の仕訳を切った後のPL
第27回4

社員からの報告で、出張の旅費として4万円を使用したことが判明したため、PLの費用として旅費交通費4万円が計上されることになります。



練習問題27-1 社員が出張に行くことになったため、交通費やその他諸経費込で10万円を現金で手渡した。
練習問題27-2 出張の際に10万円を仮払した社員が、出張から戻り、経費精算を行った。
その結果、5万円が交通費(科目:旅費交通費)、2万円が交際費(科目:交際費)、1万円が消耗品(科目:消耗品費)のために使用し、残額は現金で返還された。


練習問題27-1 解答 (借方)仮払金 10 / (貸方)現金  10 (単位:万円)
練習問題27-2 (借方)旅費交通費   5/ (貸方)仮払金 10(単位:万円)
交際費    2/
消耗品費   1/
現金     2/


例題よりも、科目が増えていますが、それ以外は同じです。
このように、複数の科目を使う仕訳の時は、借方と貸方の金額の合計が一致しているか確認しましょう。(以外と忘れがちです)
例題27-1,2とほぼ同じ仕訳なので、詳細の解説は省略いたします。

仮受金
仮受金は、仮払金とは逆に、受け取ったお金が何に対するお金なのかわからない時に使用する科目です。

受け取ったお金が、何のお金なのかわからない、という現象は会社の規模が大きくなってくるとよく起こります。

取引が数件ならまだしも、毎月の取引が何十件、何百件、あるいはそれ以上になると、入金されたのが何のお金なのかを把握するのも大変です。

中には、まったく覚えのない相手先から、覚えのない金額が振り込まれることもあります。
内容はわからないが、お金が振り込まれている以上は仕訳を切って、現金預金の金額を(帳簿の残高と実際の残高を)合わせなければいけません。

そこで仮受金という科目を使って仕訳を切ることになります。


仮受金は負債の科目であるため、増加したら貸方減少したら借方に計上します。

仮受金の増加
(借方)・・・/(貸方)仮受金 ×××

仮受金の減少
(借方)仮受金 ×××/(貸方)・・・



例題27-3 普通預金口座に10万円の入金があったが、入金の内容がわからなかったため、仮受金で処理した。
例題27-4 仮受金で計上した、内容がわからない10万円の入金について、売掛金の入金であることがわかった。


例題27-3解答 (借方)普通預金 10/ 仮受金 10 (単位:万円)
例題27-4解答 (借方)仮受金 10/ 売掛金 10 (単位:万円)



普通預金口座に入金された、とのことなので、普通預金を増加させます。
しかし、それが何のお金なのかわからないという状況であるため、仮受金を計上します。

例題27-3の仕訳を切る前のBS(単位:万円)
第27回5

前提として、普通預金が10万円および売掛金が10万円あったと仮定しています。

例題27-3の仕訳を切った後のBS
第27回6

普通預金に10万円入金されたので、普通預金を増加させていますが、これが何の入金なのか不明であるため、「仮受金」として負債に計上します。


例題27-4にて、不明入金の内容が売掛金の回収分であることが分かったため、仮受金10万円を取消し、売掛金10万円も減少させます。
第27回7



ちなみに例題27-3と27-4の仕訳について、
下記のように仮受金を消去してまとめると
第27回8

↓↓↓↓↓↓

(借方)普通預金 10 /(貸方) 売掛金 10

となり、通常の売掛金の回収の仕訳になることがわかります。

あくまで、仮受金は「仮」に受けておく科目であり、いつかはその内容を把握して、正しい科目に振り替えなければなりません。


練習問題27-3 普通預金口座に20万円の振込があったが、その内容がわからなかったため仮受金で処理をした。
練習問題27-4 仮受金で計上した不明入金20万円について、そのうち15万円は売掛金の入金、であることがわかった。残り5万円については判明しなかった。


練習問題27-3解答 (借方)普通預金 20/ 仮受金 20 (単位:万円)
練習問題27-4解答 (借方)仮受金 15/ 売掛金 15 (単位:万円)



例題27-3,27-4とほぼ同じ内容であるため、仕訳も同じになります。

ただし、練習問題27-4については、仮受金20万円のうち15万円のみが判明しており、残り5万円は不明のままであるため、仮受金のままにしておきます。
よって、仕訳を切るのは、内容が判明した15万円部分のみとなります。

練習問題27-3の仕訳を切る前のBS
第27回9

前提として、普通預金が10万円、売掛金が5万円あったと仮定しています。

練習問題27-3の仕訳を切った後のBS
第27回10


普通預金に20万円入金がありましたが、何のお金か不明であるため仮受金で計上します。

練習問題27-4の仕訳を切った後のBS
第27回11


不明入金(仮受金)20万円のうち15万円について、売掛金であることが判明したため、売掛金を15万円減少させるとともに、仮受金を15万円減少させます。

仮受金の残り5万円については依然として不明なものであるため、仮受金に残します。

今回は以上となります。

今回の要点は以下の通りです。

・仮払金は資産。いくら使うか不明だが、とりあえず支払うときに計上する。
・仮払金は、実際にいくら使ったか確定したら取り消す。
・仮受金は負債。何の入金かわからないが、とりあえず現金預金を(帳簿に)合わせるときに計上する。
・仮受金は入金の内容が判明したら取り消す。


「仮」という名前がつくものは、その名の通り、仮で計上するものであり、後で事実が確定(判明)したら、仮受金/仮払金を消す仕訳を切る必要がある、ということを覚えてください。


次回は、「立替金と預り金」を解説いたします。
これで、現金預金の受け渡しに係る科目の説明はラストとなります。

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