スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【第19回】固定資産(3)「固定資産の売却(直接法)」

じっくり簿記 3級
【第19回】固定資産(3)「固定資産の売却(直接法)」




こんにちは。たいちろうです。

今回は固定資産の売却を解説いたします。

固定資産の売却は、減価償却を正しく計算できないと、仕訳を切ることができません。
もし、減価償却で不明な点があれば、第17回および第18回を復習することをお勧めします。

固定資産の売却 
保有している建物や設備などの固定資産を売却することがあります。
売却のタイミングによって、処理が異なります。


具体的には、

<1>固定資産を購入してすぐに売却した場合
<2>時間が経過してから売却した場合

に分かれ、さらに、<2>時間が経過してから売却した場合は、減価償却の方法が直接法か間接法かで処理が異なります。

<1>固定資産を購入してすぐに売却した場合
通常は建物や車両などの固定資産を購入したらしばらくは使用すると思われます。
よって、購入してすぐに売るというのはあまり考えられないのですが、売却の仕訳を覚えるための前提として説明します。

固定資産は有価証券と同様に、簿価よりも高く売れれば売却益が発生し、安く売れれば売却損が発生します。


売却益は「固定資産売却益」、売却損は「固定資産売却損」で計上します。
いずれもPL科目で、固定資産売却益は収益、固定資産売却損は費用です。


固定資産売却益の発生の仕訳

(借方)・・・・ /(貸方)固定資産売却益 ××

固定資産売却益は収益の科目なので、発生したら貸方に記入します。

固定資産売却損の発生の仕訳

(借方)固定資産売却損 ××/(貸方) ・・・・ 

固定資産売却損は費用の科目なので、発生したら借方に記入します。



例題19-1 1,200万円で購入した建物を、1,400万円で売却した。代金は小切手で受け取った。購入してすぐに売却したため、減価償却はしていないものとする。


例題19-1  解答 (借方)当座預金 1,400 / (貸方)    建物  1,200         (単位:万円)
                  / 固定資産売却益 200


売却により建物が無くなっているので、建物を貸方に記入します。
また1,200万円で購入した建物が1,400万円で売れたため、1400万円-1200万円=200万円が売却益となり、貸方に固定資産売却益を計上します。

この仕訳は有価証券を売却した場合とほぼ同じパターンですので、不明な点があれば第15回をご参考ください。


以下、本問のBS、PLです。

仕訳を切る前のBS



建物を売却する前のBSには建物1,200万円があります。(問題文の指示より、減価償却はされていません)

仕訳を切った後のBS



建物1,200万円が消え、それと引換に当座預金が1,400万円増加しています。

仕訳を切った後のPL


PLについては、建物の売却代金1,400万円-1,200万円(取得減価)=200万円が売却益として計上されます。


<2>減価償却をした後で固定資産を売却した場合
固定資産を購入して時間が経過し、減価償却が行われてから売却をした場合、計算が少し複雑になります。
また、減価償却の方法が、a.直接法か b.間接法かで、売却時の仕訳が異なります。

<2>-a 直接法で減価償却している場合
直接法にて計上している場合の売却の仕訳の前に、いったん、直接法の減価償却の復習をします。


例題19-2 10月1日に1,000万円で購入した建物(残存価額:取得原価の10%、耐用年数10年)について、今年度分の減価償却を行う。当社の会計期間は4月1日から翌年の3月31日までである。(直接法にて処理すること)


例題19-2 解答 (借方)減価償却費 45 / (貸方) 建物 45 (単位:万円)


前回解説した通り、直接法は固定資産を直接マイナスします。よって、貸方は建物となります。

本問は期中に建物を取得しています。(前回の例題や練習問題は期首に取得していました)
期中に購入している場合は、購入日から期末までの月割りで減価償却費を計算します。

減価償却は、使用した期間分、費用を計上するものです。
購入した日から期末までの期間しか使用していない(1年間丸々使用していない)のであれば、減価償却費もその期間分だけを月割りで計上することになります。

本問の場合、会計期間である4月1日~翌3月31日の12ヶ月間のうち、10月1日から翌3月31日の6か月間使用しているので、

1年分の減価償却費×6ヶ月/12ヶ月

という月割計算をします。

残存価額が10%であるため、償却する部分が90%として、

1,000万円×90%÷10年=90万円(1年間の減価償却費)

減価償却費を月割
90万円×6ヶ月/12ヶ月=45万円

この45万円が減価償却費として計上されます。

以下、BS、PLです。

本問の仕訳を切る前のBS



建物を1,000万円で取得した、となっているので、BSに建物が計上されています。

本問の仕訳を切った後のBS



減価償却により建物が45万円減少しています。

本問の仕訳を切った後のPL


減価償却費が45万円、PLに計上されます。


それでは、直接法の減価償却の復習をしたところで、今回のトピックである固定資産の売却の説明にかかろうと思います。

固定資産の売却が起こったときは、売却する固定資産の「簿価」を減少させます。

固定資産の「簿価」とは、固定資産の取得価額から減価償却費の累計額を引いた残額となります。



上記は、取得価額5,000万円の固定資産を、毎年250万円ずつ減価償却している場合の図です。

1年後の簿価は、それまでに250万円の減価償却がされているので、5,000万円-250万円=4,750万円となります。
3年後の簿価は、それまでに750万円の減価償却がされているので、5,000万円-750万円=4,250万円となります。

つまり簿価とは、償却されずに残っている金額を表すことになります。


直接法で減価償却している場合、BSに記載されている金額がそのまま簿価となります。
減価償却の際に、直接、固定資産をマイナスしているため、BSに載っている金額が既に減価償却を控除した金額(=簿価)になっているのです。



例題19-3 1,000万円で購入した建物(減価償却累計額 45万円)を980万円で売却した。代金は小切手で受け取った。 (減価償却は直接法にて処理している)



例題19-3 解答 (借方)現金 980  /(貸方)建物       955  (単位:万円)    
  / 固定資産売却益   25



まず、1,000万円で購入した建物について、今までの減価償却の累計が45万円(直接法で記載)となっていますので、簿価は1,000万円-45万円=955万円 となります。

直接法なので、BSに載っている建物の金額が簿価と同じになります。

以下、本問の仕訳を切る前のBSです。(例題19-2のBSと同じものです)
          
本問の仕訳を切る前のBS



仕訳を考える順序としては、まずBSに載っている建物の金額をそのままマイナスさせ(貸方に建物955万円)、借方に売却代金(借方に当座預金 980万円)を計上し、差額(980万円-955万円)が貸方に25万円生じるので、これを固定資産売却益として計上する、ということになります。

本問のBSは以下の通りです。
           
本問の仕訳を切った後のBS


建物955万円が消えて、当座預金が売却代金の980万円増加しています。

本問の仕訳を切った後のPL(例題19-2の続きと仮定)


PLには、固定資産売却益が収益として計上されます。(減価償却費45万円は例題19-2のものです)



では、実際に売却の仕訳を切ってみましょう。


練習問題19-1 ×1年4月1日に3,000万円で購入した建物(耐用年数20年 残存価額10%)を×4年3月31日に2,500万円で売却した。代金は小切手で受け取った。売却時の仕訳はどのようになるか。(減価償却は直接法にて処理している)



練習問題19-1 解答 (借方)現金 2,500  /(貸方)建物       2,595      
固定資産売却損 95 / (単位:万円)



所有している建物を2,800万円で売却した、ということなので、2,800万円-簿価 が売却の損益(収益もしくは損失)となります。

×1年4月1日に購入し、×4年3月31日に売却したということは、購入から売却までに3年間が経過しているということです。すなわち、売却する時の簿価を知るためには3年間分の減価償却費の累計額を控除しなければなりません。

よって、まず減価償却の計算をします。

本問の建物は残存価額(償却しない部分)が10%であるので、償却する部分は90%です。

3,000万円×90%÷20年=135万円(1年分の減価償却費)

ちなみにこの減価償却の仕訳を表すと以下のようになります。

(借方)減価償却費 135/ (貸方) 建物 135

売却時(×4年3月31日)は、取得してから3年間が経過しているので、減価償却費は135万円×3年=405万円が計上され、(直接法なので)同額が建物からマイナスされているはずです。(3,000万円-405万円=2,595万円)


×1年4月1日 建物取得時のBS



×4年3月31日 減価償却3年分控除後のBS



この2,595万円が売却時点(×4年3月31日)における建物の簿価となります。

そして、この簿価2,595万円の建物を2,500万円で売却したということは2,500万円-2,595万円=△95万円、すなわち、95万円の売却損となります。よって、仕訳の借方に売却損を計上します。
以下、売却後のBSとPLです。


売却の仕訳を切った後のBS


建物2,595万円がなくなり、現金2.500万円が増加しました。

売却の仕訳を切った後のPL(×3年4月1日~×4年3月31日)


           
減価償却費135万円は売却年度(×3年4月1日~×4年3月31日)の減価償却費です。
BSに載っている建物2,595万円という金額は、

×1年4月1日~×2年3月31日
×2年4月1日~×3年3月31日
×3年4月1日~×4年3月31日

の各年で、

(借方)減価償却費 135/ (貸方) 建物 135 

という仕訳が切られた結果です。

よって、×3年4月1日~×4年3月31日の1年分の減価償却費がPLに載ってきます。
(PLは1年単位で作成するため、1年分しか計上されません)


固定資産の売却(直接法による減価償却をしている場合)の解説でした。
今回の講座は以上です。

固定資産の売却の際、簿価より高く売れれば売却益簿価より安く売れれば売却損となるということを理解して頂きたいと思います。簿価を正しく計算するためにも、減価償却の計算を正確にする必要があります。

今回の要旨は以下の通りです。

・固定資産の売却時、「売却代金」と「固定資産の簿価」の差額を固定資産の売却損益(損失または収益)とする。
・簿価は「取得価額-今までの減価償却の累計額」
・直接法の場合の売却の仕訳は、BSに載っている固定資産をそのまま減少させるだけ。受け取ったお金との差額が売却損益となる。



次回は固定資産の売却(間接法の場合)を解説したいと思います。

↓読み終わりましたら、クリックをお願いいたします(ブログランキング)

経理・会計・税金 ブログランキングへ



「じっくり簿記」はメルマガとしても配信しております。
以下のページにてメルマガ読者登録して頂ければ幸いです(無料)。
http://www.mag2.com/m/0001618938.html
スポンサーサイト

theme : 資格取得
genre : 学問・文化・芸術

comment

管理者にだけ表示を許可する

07 | 2017/08 | 09
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

たいちろう

Author:たいちろう
簿記検定に合格するための講座です。
簿記の仕組みを理解して覚えられるように、じっくりと説明していきます。

相互リンク募集中!お気軽にご連絡下さい!


ご質問は以下のアドレスにお願いします。
jikkuri_boki@yahoo.co.jp

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。