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【第18回】固定資産(2)「減価償却(間接法)」

じっくり簿記 3級
【第18回】固定資産(2)「減価償却(間接法)」




こんにちは。たいちろうです。

前回は、固定資産の減価償却の、直接法について説明しました。
今回は、間接法による減価償却の処理を説明したいと思います。

減価償却の仕訳方法(間接法)
前回説明した直接法は、減価償却費を計上するとともに固定資産を直接減少させる(固定資産を貸方に記入する)方法でした。

仕訳としては 

(借方)減価償却費 ×× / (貸方) 建物 ××          (建物の場合)

となります。

一方、間接法は、減価償却費の計上とともに、貸方に「減価償却累計額」という科目で計上する方法です。

仕訳としては、

(借方)減価償却費 ×× / (貸方) 減価償却累計額 ××       

となります。

固定資産を減額するのではなく、減価償却累計額という科目を計上するという点以外(金額の算定方法など)は、直接法も間接法も同じ処理になります。



例題18-1 会社で使用するため、建物を900万円で購入し、購入にかかる諸費用100万円と共に、小切手を振り出して支払った。


例題18-1 解答 (借方)建物 1,000 / (貸方) 当座預金 1,000 (単位:万円)


直接法も間接法も、取得時は同じ処理になります。
購入代価の900万円と付随費用の100万円の、合わせて1,000万円が取得減価として固定資産の金額になります。



例題18-2 今期首に1,000万円で購入した建物(残存価額:取得原価の10%、耐用年数10年)について、今年度分の減価償却を行う。(間接法にて処理すること)


例題18-2 解答 (借方)減価償却費 90 / (貸方) 減価償却累計額 90 (単位:万円)


金額は前回(第17回)の例題17-2と同じですが、念のため減価償却費の金額の計算過程を示しておきます。

この建物の残存価額は

1,000万円×10%=100万円

となるため、減価償却できる部分は

1,000万円-100万円=900万円

この900万円を耐用年数10年で償却していく、ということになるので、

900万円÷10年=90万円

が毎年の減価償却費になります。

残存価額が10%であるため、償却できる部分が90%として、

1,000万円×90%÷10年=90万円

という計算方法でも大丈夫です。


さて、直接法と間接法の違いは、間接法は相手科目が「減価償却累計額」であることです。(直接法の場合は相手科目が「建物」でした)

この減価償却累計額は資産のマイナスを表す科目です。

具体的には以下に示す、本問のBS、PLをご覧下さい。

例題18-2の仕訳を反映させる前のBS(例題18-1のBS)



例題18-1の仕訳を切った状態のBSです。減価償却費がなければ、直接法と同じになります。

例題18-2の仕訳を反映させた後のBS



減価償却累計額が資産のマイナス(△)要素として記載されます。
この部分が、直接法と間接法の相違点です。

例題18-2の仕訳を反映させた後のPL


PLは直接法と同様です。

参考に、直接法によった場合のBSと間接法によった場合のBSを再掲します。

直接法



間接法



直接法のメリットとして、BSに載っている金額がそのまま固定資産の価値を表しているということです。
一方で、間接法はBSに載っている固定資産の金額から、減価償却累計額をマイナスしないと固定資産の価値がわかりません。

しかし、間接法のメリットとして、固定資産の取得原価が一目でわかるということがあります。
固定資産を減らすのではなく、減価償却累計額を使用するため、固定資産の金額はずっと変わらず、BSに記載されている固定資産の金額=取得原価となります。

また、その固定資産のうち、現在までに何円、減価償却したのか(=減価償却累計額)もわかります。

間接法の記載の仕方について、固定資産から減価償却累計額を引いた後の金額を横に記載する方法もあります。この方法であれば、直接法、間接法の両方のメリットが享受できます。




また、場合によっては減価償却累計額を資産のマイナスではなく、負債に入れる場合もありえます。(後の講座で解説する、「試算表」などではこのように表示されることがあります)




どのようにBSに記載するかは、実際の試験問題の出題のされ方によります。問題文の指示や解答欄の科目に減価償却累計額がどこにあるか等、注意して記入して下さい。



練習問題18-1 今期首に、会社で使用する車を400万円で購入し、購入にかかる諸費用50万円と共に、小切手を振り出して支払った。(科目:車両運搬具)

練習問題18-2 今期首に諸費用込み450万円で購入した建物(残存価額:取得原価の10%、耐用年数5年)について、今年度分の減価償却を行う。(間接法にて処理すること)


練習問題18-1 解答 (借方)車両運搬具 450 / (貸方) 当座預金 450 (単位:万円)
練習問題18-2 解答 (借方)減価償却費 81 / (貸方) 減価償却累計 81   (単位:万円)


「減価償却累計額」を使用するということ以外は、第17回の練習問題と全く同じであるため、解説は省略いたします。


減価償却の意義
前回、減価償却について「固定資産は時間が経過するにつれて価値が減少していくため、それを反映させるため、固定資産の価値の減少分を費用として計上する」と説明しました。一般的に、簿記3級(および簿記2級)までは、減価償却はこのように説明されていますが、果たしてこの説明で納得できたでしょうか?

「価値の減少を反映させる」ということを納得できても、「なぜそれが費用になるのか」ということについて説明が無いため、なんとなく、そういうものなのかと受け入れる以外になかったと思います。

(以下、簿記1級の論点であるため、興味がなければ無視して下さい)


実は、減価償却の目的は費用を計上することにあります。

固定資産といえど、会社としてモノを購入し使用するのだから、それは「費用」になるのではないか、と考えることができます。例えば、会社で文房具等を購入して使用するのであれば「消耗品費」という費用が計上され、利益に影響を与えることになります。

例 会社で使用する文房具1万円分を購入し、代金は現金で支払った。
 (借方)消耗品費  1 / (貸方) 現金  1 (単位:万円)

上の消耗品費のほかに、売上が500万円、仕入が200万円あった場合、PLは以下のようになります。





では、もし会社の事業において使用する建物を購入したときに、買ったタイミングで全額を費用にするとどうなるでしょうか。




(例) 会社の営業所として使用する建物(耐用年数20年)を5,000万円で購入し、小切手で支払った。


 (借方)建物購入費? 5,000 / (貸方) 当座預金  5,000 (単位:万円)
(建物について、適当な科目がないので「?」をつけています。本来このような科目はありません)

上記のPLに建物購入の費用を入れると以下のようになります。





このように、いきなり4,701万円の赤字となります。


しかし、20年も使用する建物を、購入した年に全額費用として計上するとして、果たしてそれが適正な利益が計算できていると言えるでしょうか。

PLは毎年の利益を計算するものであるため、翌年度になるとすべてリセットされます。すなわち、PLは毎年、売上や費用が0円からスタートします。


もし固定資産を一度に費用にするのであれば、固定資産を購入した年は、大赤字になります。 その反面、翌年以降は、建物を使用しているのにも関わらず、建物に関する費用は1円も計上されません。


(建物を一度に費用にした場合の、毎年の費用計上イメージ)

(6年後以降は省略)

毎年の利益の金額を合理的に計算するのであれば、建物を購入するのにかかった5,000万円は、この建物を使用する20年間をかけて費用にしていくべきであるはずなのです。


(20年間で費用にした場合、すなわち減価償却した場合の、毎年の費用計上イメージ)
(6年後以降は省略)

よって、建物の取得原価は、いったん利益計算には関係のないBS(資産)に計上し、20年で割った金額を、毎年費用計上していきます。これが減価償却費です。

正しい仕訳にするために、先ほどの建物購入の仕訳の「建物購入費?」を「建物」(資産)にします。

 (借方)建物 5,000 / (貸方) 当座預金  5,000 (単位:万円)

そして、今期分の費用化すべき金額(5,000万円÷20年=250万円)について、費用計上します。(直接法)

(借方)減価償却費 250 / (貸方) 建物  250 (単位:万円)

よって、減価償却した場合(費用を20年で按分した場合)のPLは以下のようになります。




このように、建物に関する費用は、今年計上すべき金額(使用期間20年で割った金額)だけになり、適切に利益が計算されるようになりました。

また、BSは以下の通りです。(直接法)




建物5,000万円から250万円が減価償却で減少し、4,750万円になっています。
この4,750万円の建物(建物の「簿価」と呼びます)は翌年以降、費用化されていくことになります。

長くなりましたが、減価償却の意義を要約すると、「資産の購入費用を、資産を使用する期間に配分する」ということになります。

適切な収益と適切な費用が計上されて初めて、適切な利益が計算されることになります。




今回は以上となります。
内容の半分以上がオマケの論点であり、簿記3級として学習するべき事項は、減価償却の間接法の処理だけでした。
しかし、「費用を期間配分する」という減価償却の意義は、減価償却に限らず簿記を学ぶ上で理解していると様々な場面で役に立つものですので、余裕があれば是非とも理解して頂きたいと思います。

今回の要点は以下の通りです。

・間接法は減価償却費の相手科目として「減価償却累計額」を使用する。
・「減価償却累計額」はBSにおいて資産のマイナスとして表記される。
・上記2つ以外は直接法と同じ



次回は固定資産の売却を説明いたします。
減価償却を理解していないと計算できない論点なので、減価償却をしっかりと復習しておくことをお勧めします。

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