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【第17回】 固定資産(1)「固定資産の取得」「減価償却(直接法)」

じっくり簿記 3級
【第17回】固定資産(1) 「固定資産の取得」「減価償却(直接法)」





こんにちは。たいちろうです。

簿記3級講座も後半戦です。

本講座の序盤で、内容が理解できずに飛ばしてしまった部分や、あまり理解できなかった部分を読み返すと、
今なら簡単に理解できるくらいにはなっているかと思います。

効率よく学ぶために、難しそうと思ったら仕訳だけ覚えて流し読みする、ということをオススメします。
今わからなくても、いつかわかる瞬間が必ず来ます。
本当に理解するのはその時までとっておいて、とりあえずは試験に合格するために仕訳だけ覚えてしまいましょう。



今回は、会社で使用する建物や設備、車両などの「固定資産」について説明いたします。
固定資産自体の処理は難しくはありませんが、後に述べる、固定資産の「減価償却」は簿記の中でも特殊な処理になる上、ほぼ必ず試験に出題される重要な論点になるので、しっかりと理解して頂きたいと思います。

固定資産とは
固定資産とは、建物や設備、車両、土地など、会社で長期間使用する資産のことを指します。
簿記上は種類ごとに、「建物」「工具器具備品」「車両運搬具」「土地」などの科目で計上します。

固定資産の取得
固定資産はその名の通り、資産なので増加したら借方、減少したら貸方に記入します。

固定資産の増加の仕訳(建物の場合)
(借方) 建物 ×× / (貸方)・・・・

固定資産の減少の仕訳(建物の場合)
(借方)・・・・/(貸方)建物 ××

また、有価証券と同様に、取得する際にかかる付随費用も固定資産に加えることになります。


例題17-1 会社で使用するため、建物を900万円で購入し、購入にかかる諸費用100万円と共に、小切手を振り出して支払った。


例題17-1 解答 (借方)建物 1,000 / (貸方) 当座預金 1,000 (単位:万円)


建物を購入しているので借方に建物、代金は小切手なので貸方に当座預金となります。
金額は建物自体が900万円、付随費用が100万円なので、合計1000万円を建物の取得減価として計上します。


以下、本問のBSです。(現金、預金は省略しています)



減価償却とは
建物などの固定資産には、(税法上)使用できるとされている年数(耐用年数)が決まっています。

例えば、鉄筋コンクリート造の建物であれば47年、木造の建物であれば22年です。
その限界の年数が経過したら価値はなくなると考えられています。

すなわち、固定資産は時間が経過するにつれて価値が徐々に減少していく、と考えられています。
なので、価値の減少を反映させるため、固定資産の価値の減少分を費用として計上するのが減価償却(げんかしょうきゃく)です。

例えば下の図のように、1,000万円で購入したものが1年経過して、その価値が900万円になっているとします。その価値が下がった100万円分を、費用として計上することが減価償却なのです。




そして、固定資産の価値の減少分として計上する費用は「減価償却費」という科目を使用します。
(ただし、「土地」については建物や車両とは違い、時間の経過で劣化する、価値が下がるということはないため、保有している限り永久に使用できます。そのため「土地」は減価償却しません)

減価償却費は費用であるため、発生したら仕訳の借方に記入します。

減価償却費の発生の仕訳
(借方)減価償却費 /(貸方)・・・・

減価償却の金額の算定方法
固定資産には使用できる年数、すなわち「耐用年数」があります。

簿記3級では、減価償却費は取得原価を耐用年数で割った金額を毎年計上していくという「定額法」が採用されています。

例えば、取得原価500万円の備品について、耐用年数が5年であった場合、

500万円÷5年=100万円

すなわち、1年あたり100万円、備品の価値を減らし、減価償却費を計上するということになります。(下図を参考)




このように、毎年同じ金額、つまり定額で減価償却費を計上するため、「定額法」という呼び名になっています。


上の例の場合、価値が0円になるまで減価償却をしていますが、0円になるまで減価償却できない場合もあります。

すなわち、耐用年数の限度が到来しても、まだ価値があるとみなされている部分は減価償却をしません。
その部分を「残存価額」といいます。
例えば建物について、耐用年数が過ぎても、解体してなくならない限り実際にその建物はまだ使用可能です。そういったことを考慮し、耐用年数が過ぎても、そのものが存在する限りはある程度の価値は残っているという考えが残存価額です。


上記の例と同じく、取得原価500万円で耐用年数5年の備品について、今度は残存価額が100万円あると想定します。
すると、償却できる金額は

500万円-100万円=400万円

となります。
そして、毎年の減価償却の金額は

400万円÷5年=80万円(年間の減価償却費)

となります。
以下、残存価額が100万円ある場合の減価償却のイメージ図です。




毎年80万円づつ減価償却していき、耐用年数が到来した5年後に、残存価額100万円分ぴったりが残ることになります。


減価償却の仕訳方法(直接法)
減価償却の表記の方法について、「直接法」「間接法」の2通りがあります。それぞれ、仕訳の方法も変わってきます。今回は「直接法」について説明いたします。

直接法とは、減価償却費の計上とともに、固定資産を直接減少させる(固定資産を貸方に記入する)方法です。
仕訳としては 

(借方)減価償却費 ×× / (貸方) 建物 ××          (建物の場合)

となります。

建物自体の金額を毎年減らしていく方法であり、後述する「間接法」よりもシンプルな方法です。

直接法の場合、BSを見たときに、その固定資産の簿価(=簿記上の価値。減価償却をした後に残っている価値の金額)が一目でわかるという利点があります。



例題17-2 今期首に1,000万円で購入した建物(残存価額:取得原価の10%、耐用年数10年)について、今年度分の減価償却を行う。(直接法にて処理すること)


例題17-2 解答 (借方)減価償却費 90 / (貸方) 建物 90 (単位:万円)


まず減価償却費の金額を計算します。
この建物の残存価額は

1,000万円×10%=100万円

となります。

よって、減価償却できる部分は

1,000万円-100万円=900万円

となります。

この900万円を耐用年数10年で償却していく、ということになるので、

900万円÷10年=90万円

が毎年の減価償却費になります。

本問の減価償却のイメージは以下の通りになります。(5年後以降は省略しています)




仕訳の借方に減価償却費 90万円を記入します。
そして、その貸方には、(「直接法」による仕訳を求められているので)、建物を記入します。

よって、この仕訳で建物の簿価が90万円減少したと同時に、90万円分の費用を計上したということが反映されることになります。

本問のBS、PLは以下の通りになります。(例題17-1から続いていると仮定しています)

仕訳を反映させる前のBS(例題17-1の解答のBS)


建物の取得原価1,000万円がBSに計上されています。

仕訳を反映させた後のBS



減価償却により、建物が90万円減少し、910万円になっています。
         
仕訳を反映させた後のPL



減価償却費90万円がPLに計上されます。建物の価値が90万円減少し、その分費用が計上された、という流れが見えると思います。



練習問題17-1 今期首に、会社で使用する車を400万円で購入し、購入にかかる諸費用50万円と共に、小切手を振り出して支払った。(科目:車両運搬具)


練習問題17-2 今期首に諸費用込み450万円で購入した建物(残存価額:取得原価の10%、耐用年数5年)について、今年度分の減価償却を行う。(直接法にて処理すること)

練習問題17-1 解答 (借方)車両運搬具 450 / (貸方) 当座預金 450 (単位:万円)
練習問題17-2 解答 (借方)減価償却費 81 / (貸方) 車両運搬具 81    (単位:万円)


練習問題17-1について、車の代金400万円と諸費用50万円合わせて450万円の車両運搬具を計上し、小切手で支払った、すなわち当座預金の減少の仕訳を切ります。

練習問題17-2について、減価償却費を計算すると

残存価額: 450万円×10%=45万円
償却できる部分:450万円-45万円=405万円
毎年の償却額:405万円÷5年=81万円

となります。よって減価償却費を81万円計上し、同額、車両運搬具を減少させます。

ちなみに、減価償却費の計算ですが、電卓を打つときに、上のように一つずつ計算しなくても、残存価額が10%ならば、償却できる部分は90%であることがわかるため、

450万円×90%÷5年=81万円

と打てば、一回で計算できます。

以下、本問のBS、PLです。参考にして下さい。

練習問題17-1の仕訳を反映させたBS



練習問題17-2の仕訳を反映させたPL



練習問題17-2の仕訳を反映させたBS


今回は以上です。
以下、今回の要点です。

・会社で長期間にわたり使用する資産を「固定資産」という
・固定資産の価値減少を反映させるため、費用を計上することを「減価償却」という
・「取得原価÷耐用年数」が毎期の減価償却費の金額
・償却できない「残存価額」がある場合は、「(取得原価-残存価額)÷耐用年数」となる
・直接法による減価償却は、貸方に固定資産を記入する。(固定資産を減少させる)


新たに出てきた用語が多く、用語に慣れる必要がありますが、もし言葉の意味を忘れてしまっても、「残存価額」と「直接法」以外は字を見ればわかると思います。なので、残存価額と直接法の意味と処理方法だけはしっかりと覚えて頂きたいと思います。

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