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【第16回】有価証券(2) 「公社債」

じっくり簿記 3級
【第16回】有価証券(2) 「公社債」




こんにちは、たいちろうです。

有価証券とは、株式国債社債のことを指します。
前回は株式について説明しましたが、今回は国債社債の処理を説明します。

公社債の処理
国債、社債(併せて公社債と呼びます)の処理は基本的に株式の処理と同じになりますが、大きく異なる点が2つあります。


<1>株式の配当は「受取配当金」であるのに対し、公社債の利息は「有価証券利息」という科目を使用します。
(ただし、「受取利息配当金」という二つを合わせたような科目が使われることもあります)

<2>公社債は「○年後に○円もらえる」ということが明記されており、その金額を「額面」といいます。
そして、公社債の購入について「額面100万円の社債を額面10万円あたり9万円で購入した」という表現がされます。
よって、何口(公社債の単位は「口」)購入したのかを知るために、総額を単価で割る必要があります。

すなわち上記の例だと、
100万円(総額)÷10万円(額面の単価)=10口
ということで、10口購入したということがわかります。

また、取得原価は、9万円×10口=90万円になります。
「9万円で購入した」とあるので、9万円が取得の単価です。

10万円はあくまで「額面」であって、実際に購入した際に払った対価ではありません。
「額面」に惑わされないように注意してください。

上記2点(<1>有価証券利息という科目、<2>「口」「額面」の表現)を覚えれば、株式であっても、公社債であっても仕訳を切れるようになります。



例題16-1 額面10万円のA社社債を額面1,000円あたり600円で購入し、手数料1万円とともに現金で支払った。
また、額面20万円のB社社債を額面1,000円あたり800円で購入し、手数料1万円とともに現金で支払った。



例題16-1 解答 (借方)売買目的有価証券  7/ (貸方) 現金 24 (単位:万円)
売買目的有価証券 17/



まず、社債を何口購入したかを計算します。

・A社社債
額面(総額)10万円÷額面(単価)1,000円=100口

 よって、100口購入したことがわかります。

そして、実際の購入代価は100口×600円=6万円になります。
さらに、付随費用1万円を合わせて、7万円が当該社債の取得原価になります。

・B社社債
額面(総額)20万円÷額面(単価)1,000円=200口

 実際の購入代価は200口×800円=16万円
付随費用1万円を合わせて、17万円が当該社債の取得原価になります。

ちなみに仕訳の形式としては

(借方)売買目的有価証券  7/ (貸方) 現金 7 (単位:万円)
  売買目的有価証券 17/      現金 17

もしくは、

(借方)売買目的有価証券  24/ (貸方) 現金 24 (単位:万円)

となります。

実際の簿記検定では、問題文に仕訳の切り方に指定があったり、解答欄のスペースの大きさ次第だったりするので、臨機応変に仕訳を切ってください。


以下、本問のBSです。本問の仕訳はPLに影響が無いので省略します。
(最初に現金が24万円あったと仮定しています)




解答の仕訳を切る前のBS




解答の仕訳を切った後のBS



(A社の社債とB社の社債を合算して表示しています)



例題16-2 A社社債およびB社社債の利息の支払日が到来し、合計で5万円の利息を現金で受け取った。


例題16-2 解答 (借方)現金 5 / (貸方) 有価証券利息 5 (単位:万円)



株式の処理と異なる点の一つ、「公社債は(配当ではなく)利息」ということです。
よって、科目も「有価証券利息」を使用します。

検定試験の問題において、ひっかけの選択肢として「受取配当金」があることもありえるので、注意して下さい。


以下、本問の仕訳を反映させたPLとBSです。(例題16-1から続いていると仮定)

                   PL




BS




例題16-3 保有しているA社社債(額面総額10万円、取得原価7万円)を、額面1,000円につき900円で売却し、代金を現金で受け取った。


例題16-3 解答 (借方)現金 9 / (貸方) 売買目的有価証券 7 (単位:万円)
          / 有価証券売却益  2



まず、対価として受け取る現金の金額を計算します。

10万円÷1,000円=100口 が購入する口数であるため、

100口×900円=9万円

を現金で受け取ることになります。

売却した(減少する)社債の取得原価7万円分について、売買目的有価証券を貸方に記入します。
そして、借方と貸方の差額1万円(貸方)を売却益として計上します。

前回解説したように、貸方に出る場合は収益、すなわち売却益です。

以下、本問の仕訳を反映させたPLとBSです。(例題16-2から続いていると仮定)
                   
PL



BS




例題16-4 保有しているB社社債(額面総額20万円、取得原価17万円)を、額面1,000円につき700円で売却し、代金を現金で受け取った。


例題16-4 解答 (借方)     現金 14 / (貸方) 売買目的有価証券 17 (単位:万円)
         有価証券売却損 3 /


例題16-3と同様に、対価として受け取る現金の金額を計算します。
売却した社債の数は、

20万円÷1,000円=200口 であり、

200口×700円=14万円

を現金で受け取ることになります。よって、借方に現金14万円を記入します。

売却により、社債が減少するので、貸方に売買目的有価証券を17万円(取得原価)を記入します。

最後に、貸借差額の3万円(借方)を売却損として計上します。借方なので、費用すなわち売却損になります。

以下、本問の仕訳を反映させたPLとBSです。(例題16-3から続いていると仮定)

PL




BS



当初24万円だった現金が、一連の有価証券の売買取引を通じて、最終的に28万円になっています。
この増加した4万円が、すなわち利益の4万円となります。財政状態(BS)と経営成績(PL)は、リンクしていることがわかると思います。


今回の要点は以下の通りです。

・公社債の利息は「有価証券利息」という科目を使用
・公社債の購入時「額面100万円の社債を額面10万円あたり9万円で購入した」という表現がされる。よって、何口購入したのかを知るために、総額を単価で割る必要がある。
・口数×購入した金額(単価)=公社債の購入代価。ここに、さらに付随費用を足すことで取得原価となる。


これを抑えていれば、他は株式の処理と同じです。

【参考】電卓のメモリー機能の使い方
公社債は、購入した口数を自分で計算しなければならないため、株式と比べて、手順が少しだけやっかいです。


計算が多い場合は、電卓の「メモリー」機能を使用すると、便利です。

電卓の「M+」「M-」「MR」というボタンがメモリー機能のボタンです。

・「M+」は「メモリープラス」⇒表示されている数字を電卓の記憶にプラスさせる。
・「M-」は「メモリーマイナス」⇒表示されている数字を電卓の記憶からマイナスさせる。
・「MR」⇒メモリーに記憶させた金額の合計が表示される。

例えば、

5  → M+  

と打つと、「5」が電卓の記憶(メモリー)に記録されます

もし、このとき表示されている「5」を消してしまっても、「MR」(機種によっては「RM」)を押すと、再び記憶している「5」を呼び出すことができます。

そこで、さらに 

100 →M+

と打つと、先にメモリーに記憶させていた5に100が足されて、105を記憶した状態になります。
(「MR」を押すと105が表示されます)

先程と同様に、このとき表示されている「105」を消してしまっても、「MR」(機種によっては「MR」)を押すと、再び記憶している「105」を呼び出すことができます。


また、そこから

10 → M-

と打つと、メモリーされている105から10がマイナスされて、メモリーの金額は95になります
(MRで95を表示できるのも同様)

このように足し算、引き算をしながらメモリーに記憶させることができます。
これにより、紙にメモをとる回数を圧倒的に少なくすることができます。

例題16-1を例にとってみます。


例題16-1 額面10万円のA社社債を額面1,000円あたり600円で購入し、手数料1万円とともに現金で支払った。
また、額面20万円のB社社債を額面1,000円あたり800円で購入し、手数料1万円とともに現金で支払った。


たとえば、ここで計上される「売買目的有価証券の合計金額」が知りたい場合、

まずA社社債について、

額面(総額)100,000円÷額面(単価)1,000円=100口

(「100」を画面に表示させたまま) 100口×600円=60,000円(A社社債の購入代価)

ここまでは、単純に電卓を叩くだけですが、ここで計算結果の「60,000」について「M+」を押して、メモリーさせます
そして一旦、「AC」(機種によっては「C」)で画面を消します。


そして、付随費用1万円を足すため、

10,000 → 「M+」

と押します。
ここで「MR」を押せば、「70,000」(A社社債の取得原価)が表示されます


次に、B社社債について、(一旦ACで画面表示を消して)

額面(総額)200,000円÷額面(単価)1,000円=200口
 (「200」を画面に表示させたまま)200口×800円=160,000円

を電卓で計算します。

画面に「160,000」と表示されていると思いますが、ここで「M+」を押します

さらに、付随費用1万円を足すため、

10,000 → 「M+」

と押します。

ここで、メモリーに今まで足した金額を見る(「MR」を押す)と
「240,000」すなわち、A社社債とB社社債の取得原価の合計が表示されます


これで一連の計算を、紙でメモを取らずに電卓だけで答えが出せました。

電卓のメモリー機能を使えるのと使えないのでは、試験本番の時の問題を解くスピードが違います。
できる限り、メモリー機能の使い方に慣れておいて頂きたいと思います。


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