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【第15回】有価証券(1) 「株式」

じっくり簿記 3級
【第15回】有価証券(1) 「株式」




こんにちは、たいちろうです。

前回までで「現金関連」と「商品売買」という簿記の基本的な仕訳の学習が終わりました。

・現金、当座預金
・売上と仕入
・売掛金と買掛金
・受取手形と支払手形

などの基本的な科目は、
取引の中心となる科目であり、簿記検定でも必ず出題されるので、安定して得点できるようしっかり理解して頂きたいと思います。


今後は「有価証券」「減価償却」など、商品売買以外で簿記検定で頻出の論点を学習していきます。

これらをしっかり理解することで、まんべんなく点数を稼ぐことができるようになります。


有価証券とは
有価証券とは、端的に言うと、株式国債社債のことを指します。

これらを購入したとき、及び売却したときの処理を見ていきます。

簿記3級では「売買目的有価証券」しか出てきません。
(2級以上では有価証券には複数の種類があります)

売買目的有価証券とは、その名の通り、売買する目的で持っている有価証券です。
すなわち、安く買って高く売ることを目的としているものです。
(ある会社の株式を100万円で購入し150万円で売却する、など)

売買目的有価証券には「株式」や「国債、社債(併せて「公社債」)」があります。
今回は、売買目的有価証券の中の「株式」について解説いたします。


売買目的有価証券の処理
売買目的有価証券は資産です。増加したら借方に、減少したら貸方に記入します。


売買目的有価証券の増加の仕訳
(借方) 売買目的有価証券 ×× / (貸方)・・・・

売買目的有価証券の減少の仕訳
(借方)・・・・/(貸方)売買目的有価証券 ××



また、有価証券の取得の際に、証券会社の手数料などの諸費用(=付随費用)が発生します。
付随費用がある場合は、売買目的有価証券にプラスすることになります。
(ちなみに、有価証券そのものの購入代価と付随費用を合わせて、取得原価と呼びます)

購入代価+付随費用=取得原価


例題15-1 A社株式100株を1株当たり2,000円で購入し、手数料2万円とともに現金で支払った。


例題15-1 解答 (借方)売買目的有価証券 22 / (貸方) 現金 22 (単位:万円)



1株2,000円の株式を100株購入した、ということなので、

2,000円×100=200,000円

が株式の購入代価です。

さらに付随費用2万円を足して、22万円が取得原価となります。

本問のBSは以下の通りです。(最初に現金が22万円あったと仮定しています)

解答の仕訳を切る前のBS



解答の仕訳を切った後のBS



現金が22万円減少し、売買目的有価証券が22万円増加しています。


配当を受け取ったとき
株式を保有していると、配当を受け取ることができます。

配当は「配当金領収書」という書類で受け取り、それを銀行に持ち込むことで現金化します。
これは第5回講座の「簿記上の現金とは」という節で解説した通り、配当金領収書を受け取った時点で現金として認識してよいことになります。

実際には、証券口座(株式の売買用の口座)に直接入金されるか、指定の銀行口座に振り込んでもらうことが多いと思われますが、簿記3級では配当金領収書で受け取るケースで出題されます。



配当金は「受取配当金」という収益の科目で計上します。
収益なので、発生したら仕訳の貸方に記入します。


受取配当金の発生の仕訳
(借方)・・・・ /(貸方)受取配当金 ××




例題15-2 A社株式の配当として、3万円の配当金領収書を受け取った。


例題15-2 解答 (借方)現金 3 / (貸方) 受取配当金 3 (単位:万円)


配当金の受け取りは収益なので、貸方に「受取配当金」を計上します。

また、配当金領収書は現金と同じ扱い(第5回参照)なので、現金の増加と認識します。(借方に現金を計上)

以下、本問のPL,BSです。(BSは例題15-1から続いていると仮定しています)
           
PL



受取配当金3万円が収益として計上されています。

BS



BSは現金3万円が増加しています。


有価証券を売却したとき
売買目的で保有している株は、いつかは売却します。
売却した際は、売買目的有価証券の減少の仕訳(貸方に売買目的有価証券)となります。

また、買った時より高く売れれば売却益が発生し、買ったときより低く売れたら売却損が発生します。

実際に仕訳にするときはそれぞれ、

有価証券売却益」(収益)
有価証券売却損」(費用)

という科目で計上することになります。

有価証券売却益の発生の仕訳
(借方)・・・・ /(貸方)有価証券売却益 ××


有価証券売却益は収益の科目なので、発生したら貸方に記入します。


有価証券売却損の発生の仕訳
(借方)有価証券売却損 ××/(貸方) ・・・・ 


有価証券売却損は費用の科目なので、発生したら借方に記入します。



例題15-3 100株につき22万円(付随費用込)で購入したA社株式のうち50株を、1株あたり3,000円で売却し、代金を現金で受け取った。


例題15-3  解答 (借方)現金 15 / (貸方)  売買目的有価証券  11           (単位:万円)
          / 有価証券売却益   4



1株3,000円で50株売却した、ということなので、3,000円×50=150,000円の現金が増加します(借方)。

一方で、売買目的有価証券を減少させるの仕訳(貸方に売買目的有価証券)を切ります。

22万円で100株保有している内の50株を売却したので、

(22万円÷100株)×50株=11万円

が減少する売買目的有価証券の金額となります。

上記のように1株あたりの単価を計算して、売却した数だけ売買目的有価証券を減少させることになります。


15万円で売却しているのに対して、減少する有価証券は11万円分です。
すなわち、取得原価11万円の有価証券を15万円で売却した、ということであり、
差額の4万円分利益が出ていることになります。これが売却益です。

よって、有価証券売却益4万円を貸方に計上します。

         (借方)現金 15 / (貸方)  売買目的有価証券  11           
          / 有価証券売却益   4



仕訳は借方と貸方の合計が必ず一致するので、仕訳の金額が不一致の場合、その差額は売却益もしくは売却損になるります。

それが売却益なのか売却損なのかは、PLの費用(借方)と収益(貸方)がどちらにあるかを考えれば簡単に判断できます。

すなわち本問のように、貸方に金額が入るのであれば収益(売却益)ですし、逆に借方に金額が入るのであれば費用(売却損)になります。

以下、本問のPL、BSを記載します。(例題15-2から続いていると仮定しています)

有価証券売却益は収益なので、PLに記載されます。





解答の仕訳を切る前のBS



例題15-2の解答のBSです。
現金が3万円と売買目的有価証券が22万円分あります。

解答の仕訳を切った後のBS



本問の仕訳を反映させると、現金は3万円+15万円=18万円となり、一方で有価証券は22万円-11万円=11万円となります。



例題15-4 100株につき22万円(付随費用込)で購入したA社株式のうち50株を、1株あたり1,200円で売却し、代金を現金で受け取った。


例題15-4  解答 (借方)現金          6 / (貸方)売買目的有価証券  11   (単位:万円)
有価証券売却損 5 /



1株1,200円で50株売却した、ということなので、1,200円×50=60,000円の現金が増加します(借方)。

例題15-3と同様に、保有している有価証券を売却しているので、売買目的有価証券の減少の仕訳(貸方に売買目的有価証券)となります。

減少する金額も同じく、22万円で100株保有している内の50株を売却したので、

22万円÷100×50=11万円

となります。

しかし、本問では、11万円で取得した有価証券を6万円で売却していることになります。

すなわち、5万円の損失が発生していることになります。
すなわち売却損であるため、有価証券売却損5万円を借方に計上します。

以下、本問のPL,BSを記載します。(例題15-3から続いていると仮定しています)


           
解答の仕訳を切る前のPL





例題15-3の解答のPLをそのまま記載しています。受取配当金と売却益が発生していることがわかります。

解答の仕訳を切った後のBS




借方に有価証券売却損5万円が計上されています。もし仮に、取引がこれで全てだとすると、この会社の利益は、配当金3万円+売却益4万円-売却損5万円=2万円となります。


解答の仕訳を切る前のBS




例題15-3の解答のBSです。現金が18万円と売買目的有価証券が11万円分あります。

解答の仕訳を切った後のBS




現金が6万円増加し、有価証券が11万円減少しています。


以下、練習問題となりますが、例題の数字を変えただけなので、解説は特にいたしません。
もし、仕訳がわからなくなったらPL,BSを書いてみることをお勧めします。

現金や有価証券が増えたらBSの資産が増えるはずだから仕訳の借方に記入する、というように、連想できるようになります。


練習問題15-1 A社株式100株を1株当たり5,000円で購入し、手数料4万円とともに現金で支払った。
練習問題15-2 A社株式の配当として、10万円の配当金領収書を受け取った。

練習問題15-3 100株につき54万円(付随費用込)で購入したA社株式のうち50株を、1株あたり8,000円で売却し、代金を現金で受け取った。

練習問題15-4 100株につき54万円(付随費用込)で購入したA社株式のうち50株を、1株あたり4,000円で売却し、代金を現金で受け取った。



練習問題15-1 解答 (借方)売買目的有価証券 54 / (貸方) 現金 54 (単位:万円)

練習問題15-2 解答 (借方)現金 10 / (貸方) 受取配当金 10 (単位:万円)

練習問題15-3  解答 (借方)現金 40   /  (貸方)  売買目的有価証券  27    (単位:万円)
           / 有価証券売却益  13


練習問題15-4  解答 (借方)現金          20 / (貸方)売買目的有価証券  27 (単位:万円)
有価証券売却損 7 /



今回は以上となります。
今回の要点は以下の通りです。

・株式を購入したら「売買目的有価証券」(資産)で計上。資産なので仕訳の借方に記入。
・付随費用も「売買目的有価証券」に含める。
・配当を受け取ったら「受取配当金」(収益)で計上。収益なので仕訳の貸方に記入。
・売却したら「売買目的有価証券」を減少させる(貸方に記入)。売却代金と取得原価に差があったら、「有価証券売却損」(費用)又は「有価証券売却益」(収益)で計上。



次回はもう一つの有価証券である、「公社債」を説明いたします。
処理はほとんど同じなのですが、株式とは少し出題のされ方が異なるので、慣れが必要になります。


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