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【第11回】商品売買(3) 「諸掛」

じっくり簿記 3級
【第11回】 商品売買(3) 「諸掛」



こんにちは、たいちろうです。

そろそろ、この「じっくり簿記」というタイトルを変えたくなってきました。
読者の皆様はお気づきと思いますが、あまりセンスのあるタイトルではないと思います。

著者はネーミングセンスが無いため、この「じっくり簿記」というタイトルを考えるだけでも相当悩みました。
今後、簿記2級、1級と続けていくにあたり、もっとセンスの良いタイトルが思いつけばよいのですが・・・。




今回は、商品の販売に関わる運送料や手数料、すなわち諸掛(しょかかり)について説明いたします。

今回の講座は、仕訳のパターンを覚える必要がある、暗記に近い論点なのですが、仮に時間をかけて暗記したとしても、簿記検定で大きく点数に結びつく論点ではありません。   

一旦、仕訳を理解できたならば、試験本番の少し前に復習するくらいでよいと思います。

取引の「諸掛」の処理
商品を販売したり、仕入れたりする際に配送料や保険料などがかかることがあります。
こういった、商品の売買に伴って生じる費用を「諸掛(しょかかり)」といい、仕入に関する諸掛かりを「仕入諸掛」、売上に関する諸掛かりを「売上諸掛」と呼びます。


そして、諸掛の費用を<1>自分が負担する場合と、<2>取引相手が負担する場合の2パターンがあります。

ちなみに、諸掛の費用は一般的には自己負担であり、簿記検定でも問題文に特に記載がなければ自己負担として処理します。


<1>自己負担の場合
諸掛の費用を自社が負担する場合、その金額は自社の費用として計上します。

自己負担の場合、仕入諸掛は「仕入」という科目で、売上諸掛は「発送費」という科目で計上します。



例題11-1 商品10万円を現金で仕入れ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は自己負担とした。



例題11-1 解答 (借方)仕入 11 / (貸方)現金 11          (単位:万円)




商品の仕入代金である10万円に、仕入諸掛の1万円を足して、合計11万円が「仕入」として計上されます。

仕入に付随してどうしても発生してしまう費用というのは実質的に「仕入」そのものと同じと考えられるということから、諸掛も仕入に含めることになります。



例題11-1の仕訳をPLに反映させると以下のようになります。






例題11-2 商品15万円分を現金で売り上げ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は自己負担とした。



例題11-2 解答 (借方)現金 15 / (貸方) 売上 15
           発送費 1 / 現金 1 (単位:万円)



売上の場合、諸掛は「発送費」という費用科目で処理します。
(場合によっては別の科目になることもあります。問題分に指示がある場合はその科目を使用してください)

発送費は仕入と同じくPLの費用の項目であり、増加したら借方、減少したら貸方に記入します。
売上の取引はそのまま15万円を売上として、売上諸掛である配送料1万円は費用とします。仕入の諸掛は仕入に含めるのに対して、売上の諸掛は別の科目(発送費)を使わなくてはならないので注意してください。

例題11-1のPLに例題11-2の仕訳を反映させると以下のようになります。





売上15万円-仕入10万円(商品分)-仕入1万円(諸掛分)-発送費1万円(売上諸掛)
=利益3万円
となります。



練習問題11-1 商品10万円を掛けで仕入れ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は自己負担とした。



練習問題11-1 解答 (借方)仕入 11 / (貸方)買掛金 10         
                  / 現金  1  (単位:万円)



仕入諸掛が1万円発生しているため、仕入の金額に含めて、合計11万円になっています。(例題11-1と同じです)

この問題では、商品仕入の対価が掛けとなっているので、その部分(10万円)だけ、買掛金を計上します。
諸掛の部分1万円は現金で支払っているので、現金を減少させています。



練習問題11-2 商品15万円分を掛けで売り上げ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は自己負担とした。


練習問題11-2 解答 (借方)売掛金 15 / (貸方) 売上 15
            発送費 1 / 現金 1 (単位:万円)


売上諸掛が1万円発生しているため、発送費を計上します。(例題11-2と同じ)
しかし、商品売上の代金は掛けとしているため、商品売上15万円分は売掛金で計上し、売上諸掛(発送費)の1万円は現金を減少させています。

ちなみに、練習問題11-1、11-2のPLは例題1、2のPLと同じになります。現金、買掛金、売掛金は全てBSの科目であるためPLへの影響はないのです。(BSは変わります)



<2>先方負担の場合
諸掛を取引相手が負担する場合は、

(a)「立替金」という科目で処理する
(b) 買掛金からマイナス(仕入の場合)or 売掛金にプラスする(売上の場合)

という2通りの方法があります。

(a)立替金で処理
一時的に諸掛の費用を自分が支払うが、後でそのお金は取引先から払ってもらう場合、「立替金」という科目を使用します。

立替金はBS科目(資産)であり、増加したときは仕訳の借方に、減少したときは仕訳の貸方に記入します。

立替金増加の仕訳
(借方) 立替金 ×× / (貸方)・・・・

立替金減少の仕訳
(借方)・・・・/(貸方)立替金 ××



例題11-3 商品10万円を現金で仕入れ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は先方負担とする。




例題11-3 解答 (借方)仕入 10 / (貸方)現金 11
              立替金 1 /               (単位:万円)



「配送料は先方負担」とあるので、仕入の代金10万円のみを仕入として計上し、諸掛である配送料1万円は立替金で計上します。
いったん、諸掛も含めて現金11万円を支払うことになりますが、諸掛分1万円(立替金)は後で返ってくるので、実質的に自社の費用負担は10万円だけになります。



例題11-3の仕訳を切る前のPL



例題11-3の仕訳を切る前は、商品売買の取引がないため、PLは全てゼロになっています。
        

例題11-3の仕訳を切る前の)BS (ただし現金残高が11万円あると仮定する)


BSについて、現金がないと支払いができないため、仮に現金が11万円あるとしています。




            
例題11-3の解答の仕訳を切った後のPL



仕入は商品の代金の10万円のみ。諸掛は先方が負担するので、自社の費用にはらず、PLには反映されません。

            
例題11-3の解答の仕訳を切った後のBS



解答の仕訳により、商品10万円+諸掛1万円で、現金が合計11万円減少しているため、現金残高は0円になっています。

また、諸掛については先方が後で支払ってくれる、すなわち後でお金を受け取れる権利である立替金(資産)が1万円発生しています。

(参考:立替えた諸掛1万円分を取引先から現金で受け取ったときの仕訳)

(借方)現金 1  /(貸方)  立替金 1


立替金を回収する仕訳を反映させたBS



現金1万円が増加し、立替金1万円が消えます。
この仕訳を切ることで、商品仕入のために自分が支払った純粋な金額は10万円のみとなります。(現金が11万円から1万円に減っていることがわかる)


ちなみに、この立替金の回収の仕訳は、売掛金の回収の仕訳と似ています。

(例 売掛金の回収の仕訳→ (借方)現金 15 / (貸方) 売掛金 15  第9回の練習問題9-2参照)

どちらも、取引先に対する債権を回収しているという同じ性質の取引であるため、売掛金(or立替金)という資産が減少し、現金が増加することになります。




練習問題11-3 商品15万円分を現金で売り上げ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は先方負担とする。

練習問題11-3 解答 (借方)現金 15 / (貸方)売上 15
                  立替金 1 /                 (単位:万円)



例題11-3と同様、配送料は先方負担であるため、諸掛の1万円を立替金として計上します。
この練習問題11-3を例題11-3の仕入の取引の続きの取引であるとして、例題3のPL、BSに仕訳を反映させていきます。

  
例題11-3のPL




例題11-3のBS(立替金回収後)



ここに、練習問題11-3の売上の仕訳を反映させると以下のようになります。




練習問題11-3の仕訳を反映させたPL





諸掛が自社負担ではなく先方負担であるため、商品の仕入(10万円)、売上(15万円)だけがPLに表示され、諸掛の支払いは利益に影響していない(PLに入ってこない)ことがわかります。

諸掛が自社負担である例題11-2のPLは、取引の金額は全く同じですが、諸掛分だけ利益が少なくなっていることを確認して下さい。

            
参考:例題11-2のPL(諸掛は自社負担)





練習問題11-3の仕訳を反映させたBS


売上諸掛の立替金も、仕入諸掛の立替金と同様に、後日、現金等で回収されます。


<b>買掛金からマイナス(仕入の場合)or 売掛金にプラスする(売上の場合)
この処理はその名の通り、諸掛の金額を、仕入の場合は買掛金から引く、売上の場合は売掛金に足すという処理です。
実際に仕訳を見たほうが理解しやすいと思います。



例題11-4 商品10万円を掛けで仕入れ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は先方負担とする。



例題11-4 解答 (借方)仕入  10 / (貸方)買掛金 9
                      /      現金 1              (単位:万円)


自社が立て替えた諸掛を、後で支払うべき買掛金から減らせば、諸掛の費用を相手が負担したのと同じことになります。

解答の仕訳をあえて、商品の仕入れと、諸掛の支払いに分けて表示すると、

商品の仕入は   (借方) 仕入 10 / (貸方) 買掛金 10
諸掛の支払いは  (借方)買掛金 1 / (貸方) 現金 1

となります。上記の2つの仕訳をまとめると(買掛金の金額を貸方に寄せると)、解答の仕訳になります。


仕訳を反映させる前のPL




仕訳を反映させる前のBS (ただし現金残高が2万円あると仮定する)



  諸掛の支払いがあるため、仮に2万円の残高があるとしています。





仕訳を反映させた後のPL


         
     
訳を反映させた後のBS



諸掛1万円を現金で支払っているため、現金残高は1万円になります。
一方で、買掛金について商品の代金は10万円ですが、諸掛1万円は先方負担ですので、買掛金から差し引いて、9万円が計上されます。



練習問題11-4 商品15万円を掛けで売り上げ、配送料1万円を現金で支払った。配送料は先方負担とする。


練習問題11-4 解答 (借方)売掛金 16 / (貸方)売上  15
                         /     現金  1         (単位:万円)


売上の諸掛の場合は、諸掛の金額を売掛金にプラスします。後で売上の代金15万円を回収すると共に、自社が立て替えた諸掛1万円も回収するのであれば、諸掛は売掛金に含めても同じであると考えます。

この練習問題11-4を例題11-4の仕入の取引の続きの取引であると仮定してPL、BSを表示すると以下のようになります。

           
例題11-4のPL




例題11-4のBS



ここに、練習問題11-4の売上の取引の仕訳を反映させます。

           
練習問題11-4の仕訳を反映させた後のPL


練習問題3と同様、諸掛は自社負担ではなく先方負担であるため、諸掛は利益には影響せず、商品の代金(売上 15万円、仕入10万円)だけがPLに表示されます。

               
練習問題11-4の仕訳を反映させた後のBS


売掛金が商品分15万円と諸掛分1万円、合わせて16万円がBSに計上されます。


今回は以上となります。いかがだったでしょうか。

諸掛の仕訳は、売上諸掛の場合と仕入諸掛の場合があり、さらにそれぞれ自己負担か相手負担かのパターンがあり、
その上、相手負担の場合は立替金で処理するか買掛金/売掛金を増減させるかというパターンに分かれています。

この様に、諸掛はたくさんのパターンがあるため、一度に覚えることは困難です。

・諸掛は自己負担の時はPL(○○費or仕入)、相手負担の時はBS(売掛金or立替金、または買掛金のマイナス)で計上する

という原則を押さえれば、仕訳問題で科目が提示されていれば、正解まで辿りつけると思います。
(どんな方法で処理するべきか、問題文に指示がないこともあり、その場合は列挙されている科目から推測することになります)

BSやPLは理解を深めるために適宜、表示していますが、全てを理解できなくとも問題ありません。
仕訳だけ覚えてもらえれば現時点では問題ありません。

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