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【第9回】商品売買(1) 「売上と仕入」「売掛金と買掛金」

じっくり簿記 3級
【第9回】 商品売買(1) 「売上と仕入」「売掛金と買掛金」



こんにちは、たいちろうです。

前回まで、現金や当座預金、小口現金などの処理を解説してきました。
今回からは、会社の商売の根幹となる、商品売買に関する会計処理を解説します。

商品売買とは
会社が商品を仕入れて販売する。これが商品売買です。
ご存知の通り、現代においては、商品を売買する形態だけではなく、サービス業やIT・通信など商品が存在しない業種も数多く存在しますが、簿記3級においては商品売買の業態を持つ会社(or 個人商店)の処理のみが出題されます。


商品売買には、会社の利益を計算する書類であるPLの理解が重要になります。
ここで、一旦PLのおさらいをしようと思います。


PLの項目は「収益」「費用」「利益」の3つがあり、「収益-費用=利益」となります。
例えば売上(収益)が1,200万円あり、仕入(費用)が1,000万円あるとしたら、差し引き200万円が「利益」となります。

これをPLで表すと以下のようになります。
                 
PL



このPLのように、収益はPLの貸方費用(および利益)はPLの借方に記載します。
このPLの概念を念頭において、商品売買の処理を学習する必要があります。


三分法による商品売買
商品の売買の原則は、仕入れて売る、ということであり、その仕訳が商品売買の仕訳になります。
そして、簿記3級において商品売買の処理は、「三分法」「分記法」の2種類があります。

今回は三分法を説明します。
一般的には、会社の経理処理としては三分法のほうが主流であり、簿記検定の問題でも特に指定がなければ三分法となります。

三分法は、取引の中で「仕入」「売上」「繰越商品」という三つの勘定科目を使って利益計算をすることから「三」分法と呼ばれています。


三分法では、商品を仕入れたとき、「仕入」という科目で計上します。
そして、仕入は費用の科目であるため、仕入が発生したら仕訳の借方に記入します。
また、仕入が減少する場合(返品や値引きなど、後の回で解説)は貸方に記入します。

仕入増加の仕訳
(借方) 仕入 ×× / (貸方)・・・・


仕入減少の仕訳
(借方) ・・・・ /(貸方)仕入 ××


一方で、商品を売り上げたときは、「売上」という科目で計上します。
売上は収益の科目であるため、売上が発生したら仕訳の貸方に記入します。
売上が減少する場合(返品や値引きなど)は貸方に記入します。


売上増加の仕訳
(借方) ・・・・ / (貸方)売上 ××

売上減少の仕訳
(借方)売上  ××/(貸方)・・・・



例題9-1 商品Aを10万円分を仕入れ、対価を現金で支払った。
例題9-2 商品Aを15万円で売上げ、対価を現金にて受け取った。(商品Aの仕入原価は10万円である)




例題9-1 解答 (借方) 仕入 10 / (貸方) 現金 10 (単位:万円)
例題9-2 解答 (借方) 現金 15 / (貸方) 売上 15 (単位:万円)


現金預金の仕訳で学習した通り、

現金で支払った=現金の減少 すなわち仕訳の貸方に現金を記入(例題9-1)、
現金を受け取った=現金の増加すなわち仕訳の借方に現金を記入(例題9-2)、

ということはすぐにわかると思います。

今回の要点である商品の仕入と売上も上述の通り、

費用である仕入が発生したので借方に仕入れを(例題9-1)、
収益である売上が発生したので貸方に売上を記入(例題9-2)するだけです。


注意点として、例題9-2の問題文には仕入原価の記述がありますが、三分法においては売上の仕訳に仕入の原価は関係ありません。単純に、売り上げた金額のみを計上します。
このように、ひっかけ問題として原価が記載されることもありますが、無視しましょう。

例題9-1と9-2の仕訳を反映させたPLを作成すると、以下の様になります。(BS(現金)は省略します)




このPLを見て、「利益」の項目に違和感を覚える方もいるかもしれません。
仕入10万円、売上15万円は、仕訳が反映されているものです。

しかし、「利益 5万円」という仕訳は切っていません。

これは最初に説明した「収益-費用=利益」という式の通り、利益というものは収益と費用の差し引きで自動的に計算されるものであり、仕訳を切らなくても反映されるものなのです。



売掛金と買掛金
さて、上記の例題は売買の対価として、現金で取引をしていました。
しかし、実際問題として、すぐに現金で払えないこともよくあります。

例えば、取引が月に何千件もあったとして、それらを逐一現金で支払うことは、実務上困難です。あるいは、仮にネットバンキングだとしても取引があるたびに一日に何度も振り込みの処理をしなければならないというのも効率が良くありません。

そのため、取引の対価を後で支払うということにする「買掛金(かいかけきん)」という概念があります。
一般的にも、行きつけの居酒屋などで代金を後で支払うことを「掛けで飲む」と言ったりするように、何かを買った時の「掛け」のことを「買掛金」と呼ぶのです。


また、逆に取引の対価を後で受け取れる権利を「売掛金(うりかけきん)」と呼びます。仕入の掛けは買掛金売上の掛けは売掛金となることを覚えてください。


買掛金はBSの負債項目であり、買掛金が増加したら仕訳の貸方に記入します。
買掛金が減少する場合は逆に、仕訳の借方に記入します。


買掛金増加の仕訳
(借方) ・・・・ / (貸方)買掛金 ××

買掛金減少の仕訳
(借方)買掛金  ××/(貸方)・・・・


売掛金はBSの資産項目であり、売掛金が増加したら仕訳の借方に記入します。
売掛金が減少する場合は逆に、仕訳の貸方に記入します。


売掛金増加の仕訳
(借方) 売掛金 ×× / (貸方)・・・・

売掛金減少の仕訳
(借方)・・・・/(貸方)売掛金 ××




練習問題9-1 商品Aを10万円分を仕入れ、代金は掛けとした。
練習問題9-2 商品Aを15万円で売上げ、代金は掛けとした。また、商品Aの仕入原価は10万円である。



練習問題9-1 解答 (借方) 仕入 10 / (貸方) 買掛金 10 (単位:万円)
練習問題9-2 解答 (借方) 売掛金 15 / (貸方) 売上 15 (単位:万円)



仕入と売上に関しては、例題9-1、9-2と同じであるため解説は省略します。

練習問題9-1について、仕入の対価を現金で支払うのではなく「掛け」としています。
つまり、後でお金を支払う義務、すなわち買掛金という負債が発生しているため、貸方に買掛金を計上しています。

また練習問題9-2について、売上の対価も現金で受け取るのではなく「掛け」としています。
つまり、後でお金を受け取れる権利、すなわち売掛金という資産が発生しているため、借方に売掛金を計上しています。

練習問題9-1,9-2の仕訳をBSとPLに反映させると、以下の様になります。
  
BS



後でお金を受け取れる権利(売掛金)が15万円、後でお金を支払わなければならない義務(買掛金)が10万円存在していることがBSから読み取れるようになります。


                   
PL




PLに関しては例題9-1、9-2のPLと全く同じものになります。
(売上が15万円、仕入が10万円で差し引き5万円が利益)

売上や仕入の代金をいつ受け取る/支払うかということと、収益と費用の発生のタイミングは別の問題です。
現金の受け渡しがなくとも、商品の引渡しがあり、実質的に取引があったのであれば、費用や収益を認識しなければなりません。

よって、代金をすぐに支払っても、後で支払っても、PLは同じ結果となります。
(この概念は簿記1級の理論問題などで理解するものなので、よくわからないと感じたら無視して結構です)


買掛金や売掛金は後で精算しようというものなので、当然、いつか支払い/受け取りが発生します。



練習問題9-3 買掛金10万円を現金で支払った。
練習問題9-4 売掛金15万円を現金で受け取った。



練習問題9-3 解答 (借方)買掛金 10 / (貸方)現金 10    (単位:万円)
練習問題9-4 解答 (借方)現金  15 / (貸方)売掛金 10    (単位:万円)


仕入や売上の取引で発生した買掛金、売掛金は現金(または口座への振込など)をもって回収され、消えることになります。

買掛金は負債なので減少するときは借方に記入し、同時に現金を支払った(現金の減少)ので現金を貸方に記入します。
また、売掛金は資産なので減少するときは貸方に記入し、同時に現金を受け取っている(現金の増加)ので現金を借方に記入します。

 この一連の取引はBSで表すとわかりやすくなります。
まず、解答の仕訳を反映させる前のBSは次の通りです。
(買掛金が10万円、売掛金が15万円あるBS。練習問題9-1,9-2のBSと同じもの)




このBSにまず、練習問題9-4の仕訳を反映させます。
(先に練習問題9-3の支払いの仕訳を反映させようとすると、現金が足りなくなり、仕訳が成り立たないので便宜上、練習問題9-4の売掛金の入金が先にあったことにしています)




売掛金が15万円減り、同時に現金が15万円増加しています。

次に練習問題9-3の仕訳を反映させると以下のようになります。





買掛金が10万円減り、同時に現金10万円も減少しています。

もちろん、支払い/受取の手段は現金だけではなく、小切手ということもありえます。
その場合は今まで通り、支払いの時は当座預金、受け取りの時は現金で処理します。

さて、今回はここまでとなります。

いかがでしょうか、そろそろBSの科目(資産/負債)とPLの科目(費用/収益)の区別が身についてきたのではないでしょうか。


今回の要点は以下の通りです。

・三分法による商品売買の処理では、売上は「売上」、仕入は「仕入」という科目で計上する。売上は収益、仕入は費用の項目(PL項目)。

売上の例 (借方)現金 100 / (貸方) 売上 100
仕入の例 (借方)仕入 100 / (貸方) 現金 100

・売上や仕入の代金を「掛け」にする場合、売上の債権は「売掛金」、仕入の債務は「買掛金」となる。売掛金は資産、買掛金は負債の項目(BS項目)である。

売上の例 (借方)売掛金 100 / (貸方) 売上  100
仕入の例 (借方)仕入  100 / (貸方) 買掛金 100

・売掛金や買掛金は後日、現金等などで回収される。

売掛金の例 (借方)現金  100 / (貸方) 売掛金  100
買掛金の例 (借方)売掛金  100 / (貸方) 現金  100


ちなみに、三分法について「売上」「仕入」「繰越商品」の三つを使用すると述べましたが、「繰越商品」については、後の回で説明いたします。

次回は、売上や仕入の取引をした際に値引きや返品があった場合と、売上や仕入に伴って発生する送料などの処理を解説します。

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